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五体目の首に刀を掛けた炭治郎だが、背後に迫るもう一人の鬼。怒りの鬼が残り三人の鬼を取り込み、一人の強力な鬼として姿を変えていた。とてつもない威圧感。上弦の肆、半天狗は、追い込まれれば追い込まれるほど力を発揮する鬼だった。
玉壺は鋼鐵塚のいる小屋へ。脇目も振らず一心不乱に刀を研ぐ鋼鐵塚に、ある主尊敬の念を抱く玉壺。攻撃をされても研ぐことをやめない鋼鐵塚。そのひょっとこの面が剥がれようとも。
血鬼術に捕まり窮地の時透。諦めかけたその時、小鉄が必至に助けようとしてくれていた。小鉄の諦めない姿勢、誰かのために動くことの意味。小鉄の助けにより奮起した時透は血鬼術から脱出する。
時透には双子の兄がいた。父と母は死に、二人で暮らしていた。言い方のキツい兄に何も言えなかった時透。
ある日、突然鬼に襲われる。兄は重傷を負い、時透は激高、気付いたときには鬼を殺していた。部屋に戻るが、兄は既に虫の息。弟の無一郎に未来を託し、静かに息を引き取った。
時透は鋼鐵塚の小屋へ。玉壺との戦い。鉄穴守から刀を受け取り、変わった時透は人のために刀を振るう。
玉壺の魚を使った攻撃も危なげなくかわす時透。霞の呼吸は玉壺には見切れなかった。気付けば首を落とされる玉壺。二人の戦いは時透の勝利で終わる。
炭治郎vs半天狗。姿を変えた積怒に為す術のない炭治郎だったが、甘露寺が助けに現れる。その独特な刀と恋の型で攻撃を弾く甘露寺だが、判断を誤りまともに攻撃を受けてしまう。
しかし、昔から体の強かった甘露寺。その見た目に反し、異常な筋肉量と体力を持つ特異体質だった。ずっとコンプレックスを抱いていたが、鬼殺隊ではそのコンプレックスを活かせる。この戦いでも、持って生まれた力を活かすべく、炭治郎たちの希望の光となって戦う。
合体した鬼は甘露寺が食い止め、本体の鬼を仕留めに向かう炭治郎と玄弥。逃げる鬼に玄弥は大木を投げつける。
【感想】
二方面で続く、刀鍛冶の里での戦いも終盤。
時透側の相手、上弦の伍の玉壺は、記憶を取り戻し意識から変わった時透の前に呆気なくやられます。
時透の過去もまた壮絶。記憶がなかったとは言えひん曲がった性格になってしまいましたが、周りの行動がどんどん時透の意識を変えていきます。
「情けは人のためならず」ということわざはよく誤用の代表として挙げられますね。こういう人気作で扱われると、ここで初めて気付く人もいると思いますし結果的に良いことだと思います。
人に情けをかけると、自分のためになる。その本来の意味をうまくストーリーに絡ませてくれています。自己中だった時透だからこそのことわざでした。
鋼鐵塚さん、お顔が見えましたね。凛々しい顔で今までのイメージと全く合わないんですが…。笑
また、いつか命を救うだろうと思っていた煉獄の刀の鍔は、小鉄を救いました。生きていた小鉄を見て涙する時透のシーンは良かったですね。
炭治郎の方はもう敵わないやって感じで甘露寺頼みです。明るくて面白いキャラ。特異体質でそれがコンプレックスだった、というのも良い。しかし…首は弱点じゃないって、炭治郎それは先に教えてあげないと…。笑
でも、この硬直した甘露寺の一枚絵、絵としてどこか惹かれるところがありますけども。
そして走馬燈。鬼滅のキャラはみんな走馬燈を見ますね。まあ、それだけ命を懸けた戦いをしているということです。実際キャラの設定のお披露目は回想挟むしかないですからね。でなければお披露目をしないという選択肢。そういう漫画も多いですし、どっちが良いかというわけでもなく。回想を挟むとキャラへの感情移入度が増す反面テンポが崩れるのが難点。
ただ鬼滅の刃についてはその回想が良く、特に鬼については回想が一番重要なんじゃないかと思うくらい。逆に、弱虫ペダルなんかはスピード感が重要だった分回想がマイナスだったなと思ったりもしました。
ついでに言いますと、鬼滅の戦闘シーンはモノローグが多いのでこれもまた良い悪いがあり。独り言をぶつぶつ言っている様子がどうも戦闘にキレがなくなってしまう印象がついてしまい。主人公側に感情が入りますが、逆を言えば俯瞰して読み辛いということがマイナスになることもあり、多様はあまり好みではなかったりします。
HUNTER×HUNTERのような雰囲気のあるト書きは全然オッケーなんですが。ワンピースはモノローグはほぼないですし。ルフィがそんなモノ考えて戦うことがないんですが。笑
脱線しました。
玄弥が鬼っぽくなってたのは能力でした。鬼化ができる能力なんてのがあるとは。そもそも玄弥が呼吸も使えず身体能力も低いってことが意外でしたが…。だんだん親近感のわくキャラになってきてます。
また今回、体に出来るあざについて言及があり。これまで通じてあった伏線ですが次巻で少し回収されそう。
刀鍛冶の里編も終わりに近づきつつあります。半天狗の方が、本体倒して終わりなのかどうか。あの合体した鬼は中々手こずりそうです。