乙嫁語り / 森薫 9巻 感想 【ネタバレあり】

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ウマルのことが気になって仕方がないパリヤ。ある時遠くまでおつかいに行くことになり渋るパリヤだが、そこへウマルが現れる。目的地まで馬車で送ってくれるという。歓喜のパリヤは、二人きりの道中でウマルとの距離を縮めようと考えるも、何もかも思うように行かず目的地に着いてしまった。

帰り道、一人の女性が倒れているのを見つけ救助に駆ける二人。無事一命を取り留め、お礼がてら村で一晩泊めてもらうこととなった。

布支度が間に合わないと焦るパリヤは、正直にウマルに話す。結婚したいこと、布支度が終わるまで、待っててくれませんかと。
精一杯のパリヤに、ウマルはキスで返した。ウマルなりの、覚悟だった。

卒倒し夢見心地のパリヤだが二人にハプニングが。車輪の軸が壊れてしまい、馬車が使えなくなってしまった。即興で車軸を作る二人。体を使った共同作業。一生懸命のパリヤを見て、微笑むウマルだった。

無事街に戻った二人。布支度の間に合わないパリヤはカモーラ達と刺繍に明け暮れる。
その中で作った帽子をウマルにプレゼント。気持ちを込め、苦手な裁縫での初めての贈り物は、ウマルにとても似合っていた。

ウマルには、隊商宿をやりたいという夢があった。以前、父親の体調が原因で断念した仕事だが、いろいろな人と関われる隊商宿は楽しく、またやりたいと思っている。パリヤは賛成し、二人はまだ見ぬ未来に希望を抱き、話を募らせた。

【感想】

パリヤメインの9巻。後書きによるとここまでのようです。尊くウブな二人のおはなし。

これまでも様々なパターンの男女の関係が描かれましたが、一番現代チックな二人だったように思えます。他の乙嫁はどうも浮き世離れした雰囲気がありましたので、パリヤに庶民さを感じざるを得ません。

好きな人の前でそわそわし、何もかも上手くいかず空回り自己嫌悪、不器用でも好きな気持ちに前向きなところがかわいらしくて、何とかうまくいかないものかと見守りたくなります。そして、ウマルはようやった。キスは少し早かった気もしますが…。笑

ウマルはめそめそした子はあんまりだということですが、パリヤのこの挙動不審は大丈夫なんですかね。これは性格とは違うからいいのか、、。
今は恋愛初期で一番面白い二人が見られますが、夫婦になって落ち着いてからのパリヤがどうなるのか全然想像が付きません。お母さんとして振る舞うパリヤも見てみたいですね。

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