スポットライト / 三浦風 1巻 感想

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俗に言う陰キャの大学生、斉藤恭平はある陽キャグループに突然花見のカメラマンを頼まれる。

全く絡みのない苦手なグループに誘われた斉藤だが、返事はOK。何故ならそのグループには、入学当初から好意を抱いている小川さんがいた。

カメラ部に所属する斉藤は、小川さんのことを隠し撮りしていた。好意を伝える勇気のない斉藤は、好きな人を写真に収めることしか出来なかった。

花見は小川の誕生日祝いのサプライズも兼ねており、グループの一人が小川に告白をする流れになっていた。しかし当日、その告白は失敗に終わり微妙な空気の中、残された小川と斉藤は二人でこの花見について思うことを吐露し合う。

スマホが手元にないことに気付いた斉藤。探しに行くと、ある男が持っていた。大学のミスコン局長である逸崎元基。一度グループにもスカウトに来ており、斉藤も面識はある男。
逸崎は、斉藤のスマホを見ていた。小川の隠し撮りがバレてしまった斉藤に、逸崎はミスコンのカメラマンをしないかと提案をする。

【感想】

ネガティブな大学生の恋と大学生活を描いたジュブナイル。

陰キャである斉藤が陽キャと絡むようになって物語が動き出します。どことなく暗いタッチですが1話は希望に満ちた雰囲気が感じられ、斉藤にも春が訪れるのかなと思いきややはりアフタの作品、そうも言ってられませんでした。

卑屈でネガティブな斉藤に突きつけられる現実であったり、うまくいかないもどかしさであったり、そういった思春期(というには少し成熟してますが)に感じる重たさを非常に感じる作品。

 

スポットライト 1巻

ひとめぼれした小川さんを隠し撮りしていた斉藤。この隠し撮りが、物語をどんどん動かしていきます。
基本的に斉藤側の人間は居らず、出るキャラみな陽キャでコミュ力の高い人たち。小川さんもそうで、斉藤が惚れるには敷居が高いというかそもそも合わないのではという気もしますが、話が進んでいくと小川さんはどうやら数多の陽キャグループよりも達観していて自分を持っている描写があり、斉藤と通ずる部分も感じられます。

 

スポットライト 1巻

 

スポットライト 1巻

しかしそれも徐々に砕かれていくのが、生粋の陰キャ。決してコミュ力が低いわけでもただ流されるだけの人生でもない斉藤なのですが、小川さんを好きという感情が変な形になって、どうもうまくいかない。これかツラい。

 

スポットライト 1巻

そんな好意を抱かれている小川さん、こちらも実は好きな人がいますが、一度フられていて脈もなさそう。斉藤含め一方通行の三角関係が出来上がっています。
三人がそれぞれの好きな気持ちを知っていて、誰も実らなさそうな不安しかない三角関係で鬱なのですが、イベントであるミスコンを通じてどう展開していくのか、心の変化がどう訪れるのか気になるところではあります。

大学生は既に大人の一歩手前で、未熟な部分というのは容赦なく叩きつけられる感じがまあ厳しいですね。僕は断然陰キャタイプですので、気が沈みます。笑

せめて救いのある結末であって欲しいなあ。斉藤は頑張ってると思うので、恋は叶わなくとも何かを見つけることが出来れば良いなと願ってます。

 

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