クプルムの花嫁 / namo 1巻 感想

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新潟県燕三条、職人が集う町。槌起銅器職人の修(しゅう)は父親を亡くし、祖父と祖母の元で工房の跡継ぎとして毎日銅を打っている。

そんな修の彼女、しいな。しいなは高校を出たばかりの大学生で、修とは幼なじみで恋人同士。

ある日、修はしいなに結婚を申し出る。大学生になったばかりのしいなは、厳しい職人の家庭に嫁ぐことや、まだまだ大人になりきれない部分から不安に感じるが、修も祖父から指摘を受け自分がまだまだ職人として半人前だということを思い知らされ、修が一人前になるまで、ひとまず婚約という形で落ち着いた。

用意していなかった指輪は、その場で銅を打ってプレゼント。二人の結婚までの道のりが始まる。

【感想】

槌起銅器職人の男と、少し軽めな性格の学生の女の子とのカップルもの。

しいなはギャルと紹介されていますが、個人的にはギャルと言うには少しかわいらしすぎるかなあとも思います。言葉遣いは荒いですが、人懐っこく素直な良い子です。

 

クプルムの花嫁 1巻

対して修は、口下手で喜怒哀楽もわかりづらい、職人気質なタイプ。頑固というわけではなく、コミュ力が低いといった感じ。ひたすら銅を打つ様からしいなに、妖怪銅叩きと呼ばれるほどの熱中っぷり。

代々続く家系の跡取りという責任や、父親の死も絡み職人として日々研鑽を積んでいます。
銅で物を作ること自体が好きなようで、真剣に仕事に向き合う姿が印象的。真面目な雰囲気で、でもふいに抜けた感じも魅力的です。 

 

クプルムの花嫁 1巻

まず結婚話から始まりますが、最終的には婚約ということで留まりゴールに向かって仲良く向かっていく物語。
職人×ギャルという組み合わせが中々良いもので、お堅い家に居座るしいなの屈託のない言動が、良い意味でアンバランス。

 

クプルムの花嫁 1巻

 

クプルムの花嫁 1巻

銅器を小馬鹿にするお客のエピソードでは、しいなは怒るでもなく現場を見せて、自分はよくわからないけど、絶対いいものだよ、と言える素直さ。この真っ直ぐさは少し子供っぽいしいなの魅力でもありますね。

 

クプルムの花嫁 1巻

既に婚約している二人なので、よくある恋愛漫画のようないざこざはなさそうで、極めて平和でほのぼのした作品。
もう一人女の子キャラが出てきますが、修の使う道具を作る女の子でしいなとも旧友。婚約したことを知らせた時の反応を見ても、ややこしいことにはならなそうで何より。

絵のタッチは優しく、丸っこい輪郭で女の子がかわいい。というよりしいながかわいい。

また槌起銅器についてよく取材をされていて、監修もしっかり付いているのでマイナーな仕事ものとしても面白いです。メインは二人のイチャイチャにはなりますが、二人のかわいらしいやりとりがこの作品の一番の見所です。おすすめ。

ちなみに、タイトルの「クプルム」とはラテン語で「銅」を意味するらしいです。

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