恋獄の都市 / 俵京平 3巻 感想 【ネタバレあり】

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泉はダミーにされていた。
真と雪子につきまとう泉だが、様子がおかしく、真の指示を待っているよう。

流夏に治療してもらった副作用で、真には条件付きでダミーを操る能力が生まれたらしい。ひとまず、泉を遠ざけることに成功する。

通報を受け駆けつけた刑事は、躊躇なく泉を射殺してしまう。その刑事は管理者で、上級管理者の上、特別管理者の権限を持つ人間だった。

組織の盗聴から、特別管理者3人が持つ鍵を使えば外に出られることが判明する。

刑事はあの場にいた真と雪子に目を付け、雪子を連れ出す。刑事は「ダミーを操る能力」について知りたいらしく、情報交換を持ちかける。

逃げ出した雪子に対して、刑事は自身の持つ「感覚を奪う能力」により雪子の味覚以外の感覚を奪い閉じこめてしまう。

助けにきた真。「ダミーを操る能力」が欲しい刑事は真を側に置きたいと言い、真はそれを飲む。代わりに雪子に会わせてもらうが、雪子は既に感覚を失っている。
刑事を手伝う条件として、真は雪子を引き取った。

真の能力を試したい刑事は女の子を実験材料として真に命令をするが、隙をつかれ撃たれてしまう。形勢逆転かと思われた。
しかし、刑事の「感覚を奪う能力」は、相手の持ち物を手にすることで発動する。体には、真の銃で撃たれた際の弾丸が入っていた。

【感想】

上級管理者の更に上、特別管理者。偽物の世界から抜け出すために重要な人物の登場です。

サイコパスな刑事。この刑事は今の世界をむしろ気に入っているので、真達にとっては最大の障害となっています。
また、雪子は能力により何も感じなくなってしまうというダークな展開に。死ななかっただけマシなのか…。

しかし、能力とは…?真の能力も突然発して何が何やら。そもそも付け焼き刃でどこまで有効に活用できるか、というのもあります。使えそうですけどね。

こういう設定は出来るだけ後出しにして欲しくなかったのですが…駆け引きバトルという意味では大きく貢献するのでそういった展開になるのでしょうか。

結局この巻でもこの世界を支配している存在については分からず。言ってしまえばこの刑事もコマの一つに過ぎないので、世界の全貌はまだ先のようです。
結構壮大なスケールで進めているようで、それはそれで良いのですが…20巻とか想定しているならちょっと厳しいですね。
このクオリティであれば少なくとも7~8巻で綺麗に終わらせるよう組んで欲しいです。

ちなみに雪子について、感覚が奪われたならちゃんと喋れるのがおかしいとか感想で見ましたが、こういうのは気にするところではないと思います。だって、あの場面で喋れなかったら何も進みませんし。話を考えろって言われればおしまいですが、矛盾はどこかで絶対に起きるのでこれくらいは。この辺の基準は読者それぞれなのでしょうね。
ただ、拳銃の弾は真の持ち物か…?ってのはグレーかもしれません。笑

まあそんなことは全然重要なことではなくて、とにかくこの世界のボスが知りたいです。それと愛の存在について。ここが曖昧な結論だったら少し残念です。

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