【推しの子】 / 原作:赤坂アカ、作画:横槍メンゴ 3巻 感想 【ネタバレあり】

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始まった恋愛リアリティーショー。同世代が集まり、台本はないが演出はある、カメラの元でそれぞれの個性が発揮される番組。鏑木からアイの情報を引き出すために渋々撮影を続けるアクア。

少しずつ、メンバーの特色が見えてくる。それぞれが個性を打ち出し、番組的に栄えるキャラと栄えないキャラに差が出つつある中、出演者の一人、黒川あかねは自身がこの番組で目立てていないことを気にしていた。

駆け出しの女優であるあかねだが、素の性格は引っ込み思案でネガティブ。何とか爪痕を残そうと必死になるが、それが裏目に出てしまい炎上騒ぎに。

ネット上の誹謗中傷に耐えきれず命を投げ出そうとするあかねを引き留めたのはアクアだった。番組サイドにも匿名で批判するネットにも腹が立ったアクアは、この自殺未遂の情報を記者に売った。
メンバー同士はそれぞれライバルでありながらも、仲は良かった。メンバーが協力し合いあかねのイメージを変革する動画を企画。バンドマンは音楽を、youtuberはネット上のマーケティングを、そしてアクアは編集を行い、それぞれが長所を生かしあかねを救うために動き出す。

その動画は拡散され、炎上は少し落ち着き、あかねの精神状態も上向きに。そして、あかねは現場へ復帰することとなった。

素の自分ではダメージを回避しきれないと判断したあかねは、メンバーのアドバイスもあり役を演じることに。参考にしたのは、アイ。あかねは役を演じることに長けており、演じる対象を調べ尽くし、その「アイ役」は実子であるアクアを唸らせるほどだった。

アイをアクア以上に理解するほどの実力を持っていたあかね。アクアはそのアイの能力を使えると判断し、あかねにキスをする…。

感想

アイの父親へ近づくために、恋愛リアリティーショーへの出演を受けたアクア。
この話での展開は、先日現実の某番組から起こった悲しい事件のオマージュとも言うべき展開に。ネットの誹謗中傷の恐ろしさがどれだけのものか、こういった作品のエピソードを通じて少しでも理解されればとは思います。今作もそういう意図はあるでしょうし。

一人の軽い発言も、何千人が呟けばそれは大きな波になって一人の人間に襲いかかるわけで、ネット上での無責任な発言の怖さは、発信するみんなが知って欲しいことだなあと。まあ、それでも無くならないのが世の常ですが…。

そんな現代に警鐘を鳴らすような今回の話。なんとか最悪は回避され、メンバー同士協力し合うというちょっと良い展開。
腹黒っぽそうだったゆきも割と良いキャラだったので嬉しい。

若い世代が自分たちの持てる力でその場を打開していく様子が、一話だけでしたが胸熱ですね。アクアが放つ大人へのセリフ、転生した「大人」なアクアだからこその説得力がすばらしい。

 

【推しの子】 3巻

そしてあかねにピックアップした話の流れに。メンヘラ度合いが凄まじい彼女ですが、女優としては天才と呼ばれ、誰かになりきることに長けているということでアイを忠実に再現してしまい、アクアもびっくり。これは放っておけないということでキスまでして側に置くという、強引ながらもアイへの執念が見せる行動はさすが…。しかしこのままではあかねが報われないのでどうなることやら…。

この巻は一瞬脱線しかけたかと思いましたが、少しずつ真相に近づくためのピースを集めていますね。アクアは活躍してましたが、この巻ではルビーは見せ場無しでしたね。変な被り物して踊っただけでした。次巻に期待。

話は序盤といったところですが、まだ3巻。次も楽しみ。

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