怪獣8号 / 松本直也 2巻 感想 【ネタバレあり】

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キコルを助けに現れたカフカ。その強力なパワーで怪獣を撃退。試験は中断するが、死者を出すことなくこの騒動は一段落する。

合格発表の日。キコルは首席で合格。レノも合格するが、カフカは不合格。しかし、カフカの存在を怪しいと睨む副隊長の保科は、自分の隊の候補生としてカフカを入隊させた。

入隊から二ヶ月、訓練漬けの日々を過ごす隊員達。少しずつ個人の実力に差が出始める。
そして初任務の怪獣討伐作戦が始まる。各小隊ごとに任務にあたる隊員達。急所不明の怪獣にやみくもに攻撃するしかない隊員達だが、カフカは前職の経験を生かし急所を見つけ、更に余獣にも増殖器官があることを突き止める。

亜白が本獣を討ち、残りは余獣のみ。
討伐に当たるレノと伊春の前に謎の男が一人。その男は伊春を攻撃し、怪獣に姿を変えた。試験会場に現れた人型の怪獣だった。

その人型怪獣はレノと伊春をターゲットとした。討伐を試みる二人だが、圧倒的な敵を前に打つ手がない。万策尽き、ここまでかというところで現れたのは怪獣化したカフカだった。

【感想】

話題沸騰の本作。2巻が出ました。
ヒーローがごとく現れたカフカがキコルを助ける場面から。

人型怪獣状態のカフカの強さが桁外れだということが数値でもわかり、キコルが苦戦する相手をワンパンでぶちのめすほど。益々、この怪獣化の原因や強さの要因が気になるところ。

この怪獣を倒すシーン、1ページ丸々パンチのシーンで、それを2ページに渡り描き、時間差を表現していますが、これは単面である電子書籍ならではの描き方だなあという感じ。見開きで見ると逆に違和感があります。でも1ページずつ読む電子ならアリかも。

そして入隊→最初の任務へ。
同期のメンツが少しずつキャラ付けされていきますが、まだ印象は薄いです。ただ最後にレノと共闘する伊春にはそれなりの見せ場があり、一気に作品内での株が上がりましたね。このレノと伊春が、絶対に敵わない敵と対峙するシーンは胸熱ポイントでした。

最後の人型怪獣の登場により、怪獣が意図的に生み出されていることが確実となりました。まだ敵の正体は分かりませんが、大きな敵が潜んでいることは間違いないわけで、次巻では少し進展がありそう。

話の進み方としてはかなりシンプルでわかりやすく、ちょっと奥行きのようなものが物足りないかなとも思いつつ、王道のヒーロー物と考えればごちゃごちゃした設定は要らないのかなとも思います。この辺はバランスがかなり難しいと思いますが…。

細かい説明をことごとく省いて勢いで持って行っている感じを、プラスと捉えるかどうかは読み手次第だなあと思います。
カフカの正体も早々にキコルにバレますが、それも軽く「黙っといて!」くらいの感じなので、変にシリアスにするよりも…といった作品の雰囲気が分かります。これが今後吉と出るか凶と出るか…。

面白い作品の多くはシリアス部分では本当に緊迫感を感じさせてくれますが、今作はどんなピンチや逆境でも明るさや前向きさが感じられるので、ハラハラドキドキと言った側面は少し弱いです。ただ、戦隊モノを見るような妙な安心感があり、それが良いところでもあります。これは読み手の好みでしょうね。

いずれにせよ、ド王道は貫いていると感じられる2巻。話題になるのはわかります。3巻も期待します。

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