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工業高校に入学したばかりの主人公、藤吉は自分の低い声にコンプレックスを持っていた。
なるべく声を使わないように、と思ってきた藤吉だが、偶然、合唱部を作ろうと部員募集のために日々校内で歌を歌っていた木村と出会う。
藤吉の低い声に惹かれた木村は藤吉を合唱部へと誘う。藤吉の声は、声域の広い木村でもどうしても出せない、貴重な低音なのだという。
コンプレックスだった自分の声が活かせる場所を知り、少しずつ合唱に興味を持つ藤吉。
しかし、実は部員が木村のみのためまだ部として認められていなかった。
最低でも部員五名と顧問が一人必要。
まずは、部を立ち上げるため部員探しが始まった。
【感想】
「げんしけん」作者の新作。
工業高校を舞台にした合唱部の物語。
主人公の藤吉はそもそも、声を出さなくても済む仕事に就けそうだからという理由で工業高校に入ったという、それくらい自分の声にコンプレックスを持っていました。
そんな藤吉の道を開いてくれたのが、木村。
独り校内で大声で歌い続け、ある意味有名人となっていたほどの変人。暑苦しく自分の主張が激しく、合唱オタクとも言うべき合唱への熱量が凄まじいキャラ。
そんなキャラなのでみんなひいていて、藤吉もそうでしたが、木村の純粋な、藤吉の声への興味に、ついまんざらでもなくなってしまった。まあでもコンプレックスをぶち壊してくれるくらい、褒められたらそれは悪い気はしないですよね。
そして、部活動モノでは恒例の部員集めとなります。1巻で既に何人かピックアップされていますので、徐々に増えていくのでしょうがまずは、金髪でガタイのいい折原。
常にイヤホンをし、何かを聴いている折原。その風貌とガタイのせいで、いろいろ絡まれてしまいますが、今のところ何にも興味はない様子。藤吉と同じく折原にも、何かコンプレックスがあるように見えます。
イヤホンに関しては、何か理由があるようですが1巻では明かされず。
導入としては部活モノとして可もなく不可もなく。個人的に、歌はとても好きなのですが、合唱はどうも肌に合わない部分もありこの作品でもそれを同様に感じました…。
ただ、そういった部分を抜きにして、キャラクターの青春群像劇として見るとこれから面白くなっていく期待感は高いです。
とりあえず、折原について気になって仕方ないです。2巻だと思いますが、部への入るきっかけも、イヤホンの理由も、全てが気になる。
キャラの内面を引き出して会話にするのが特に上手い作者なので、コンプレックス持ちのキャラというのはとても良い材料。
2巻以降も楽しみです。