ファイアパンチ / 藤本タツキ 2巻 感想 【ネタバレあり】

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ドマと対面したアグニだが、全く歯が立たず負けてしまう。
頭のみの状態で拘束されたアグニは、そのままベヘムドルグの祝福者に連行される。

途中の電車内、隠れ潜んでいたのは、トガタと名乗る女。アグニと同じ再生祝福者で、もう300年生きているという。
映画が好きな彼女は、ビデオカメラを回しベヘムドルグの人間の勝手な行動をビデオに収めようとする。
逆行したベヘムドルグの精鋭達だが、全員トガタに返り討ちにされ、あっという間に全滅。

トガタは、自ら最高の映画を作るためにビデオを回している。その映画の主人公に、アグニを選んだ。
アグニがドマへの復讐を遂げるためにトガタは力を貸す、その代わりに、アグニに主人公を演じて欲しいと言う。
監督はトガタ、カメラマンに途中で助けた女の子ネネト、主人公はアグニ。
トガタの最高の映画作りが始まる。

場面は変わり、ベヘムドルグの地下では祝福者たちが並べられ、その能力をベヘムドルグのインフラとして活用されていた。
連れて込まれたサンもここで働かされることに。

アグニにドマへの復讐に力を貸すと約束したトガタだが、突如ユダ達の前に現れ、アグニを殺そうと提案する。
全ては、面白い映画作りのため。

また、300年生きているトガタから衝撃の事実が。
実はこの世界に氷の魔女など存在しなく、ベヘムドルグが作り上げた架空の敵だということ。そして、ベヘムドルグの王も作り上げた架空のもので、国を統率するための嘘だということ。
地球は氷河期に入り、あと20年もすれば人類は滅びるらしい。トガタは残り少ない世界の寿命を知りながら、映画の完成のみを目標にしている。

【感想】

物語が180度以上ひっくり返る急展開。
アグニの復讐劇はどこへやら、実はトガタの物語でした。

トガタが作中で言った、「今ファイアマンがドマを殺して復讐を終えても、面白くないしすっげー単調な話になっちゃうんだよ」というのは、
ある意味作者のメタ的発言のような気もしてきます。
ただの復讐劇だけでも十分この作者は見せてくれそうな気はしますが、ここまでの方向転換はおそらく、それでは飽き足らない作者の変態性のようなものでしょうか…。

アグニに芝居をさせるシーンなんかはあまりにもシュール。コントのような空間になってしまっていて、1巻のあの盛り上がりは何処へ…。

ユダの首が拾えなくてトガタにやりこめられるアグニのシーン、こんなアグニ見たくなかった…という傑作の1話です。セリフ一つ一つが特徴的で、狂ってる。この作者の脳はどうなっているんでしょうか。(褒めてます)

全く終わりが見えなくなってきた2巻。
ジャンプレーベルで中々の変人作者が出て来ていたんですねえ…。

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