ファイアパンチ / 藤本タツキ 1巻 感想

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特殊な能力を使える「祝福者」という者がいる世界。「氷の魔女」と呼ばれる祝福者によって世界は雪に覆われていた。

主人公のアグニと妹のルナは、再生能力を持つ祝福者。放浪していたところを助けられ、恩返しとしてその村を飢えから救うため、自分の腕を切り落とし皆に配っていた。

ある日、ベヘムドルグという国からドマ率いる軍隊が食料を奪いに村に立ち寄った。そこで人肉の現場を見たドマ。「炎」の祝福者であるドマは、侮蔑の念を込め村を焼き払う。
焼け朽ちるまで消えないというドマの炎は村を全焼させ村人は全員殺された。しかし、再生能力のあるアグニは全身を焼かれながら破壊と再生を繰り返す。

想像を絶する痛みの中で足掻くアグニ。
死ぬに死ねない状況の中で徐々に芽生える感情…アグニは、ドマへの復讐を誓った。

【感想】

既にジャンプで「チェンソーマン」を連載中の作者の第一作。
第一話は正直、驚くほど面白いです。世界観や設定、話の組みたて、キャラクターへの感情移入度、少年漫画的な展開に主人公のビジュアル、どれを取っても面白い。この一話はびっくり…。

その後は復讐を生きる糧として歩き出すアグニ。上記でどこまでネタバレしていいものかと非常に悩みましたが、ここまでがギリギリかな…。

自分自身読んでいて、一話は前情報なしで読めてよかったと思っているので、あまり多くは語らない方がいいかもしれません。

1巻ではいきなり事件が起き急展開、意外な人物の登場もあり伏線がしっかり張られ、スピーディにどんどん進みます。
そして最後にこれまでの雰囲気を一転させる描写があり、これはただの復讐劇ではない、まだ何か大きな展開があると感じさせて2巻に続きます。

一癖も二癖もありそうなこの作者。一体どういう方向に進むのか、どういう結末を迎えるのか、全く想像できない。純粋に興味を持たせてくれる1巻でした。