ジャンケットバンク / 田中一行 1巻 感想

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大手銀行の窓口に勤める御手洗(24)は、日々の仕事を無難にこなしながらも、その日々を退屈に感じていた。

ある日突然、部署移動の辞令が出た。異動先は特別業務部審査課。新しい上司となる宇佐美に連れられ、銀行の地下へ。すると、そこにはギャンブルを楽しむ大勢の人がいた。

この部署は、銀行賭博の運営と審査が業務。掛け金の管理とディーラーを銀行が担い、客に賭場を提供しているという。

ギャンブルに負けた中年男性と、このフロアで幅を利かせているトッププレイヤー、関谷とのやりとりを見て狂気を感じる御手洗。

そこに現れたのは真経津(まふつ)という男。若く、この賭場では新参。調子に乗る関谷に真経津はギャンブル対決を申し入れた。

【感想】

銀行の地下で行われる、狂気に満ちたギャンブル漫画。展開は地味ながらも引きつけられる面白さ。

痛々しい描写もありつつ、いかに賭場が狂っているか、人を狂わせるかという表現が随所に表れます。絵は固いですが、死んだような目と百面相のようなキャラの表情が一層ギャンブルのヤバさを演出している気がします。

主人公は、若手銀行員の男と、若手ギャンブラーの二人でしょうか。銀行員の御手洗は語り部のような役割で、ギャンブラーの真経津はダークヒーローのようなイメージ。ただ、二人とも主人公に似つかわしくない怖さが奥底にあるような気がして、あまり油断できません。

 

ジャンケットバンク 1巻

 

ジャンケットバンク 1巻

ギャンブル自体は対戦者同士の心理戦。初戦はその心理戦が上手く描かれていて面白い。後半に始まる戦いも、シンプルなゲームの中でどう攻略するか分からない先の読めなさがあり、巻またぎが結構ひどい、良いところで終わるので続きは素直に読みたい。

 

ジャンケットバンク 1巻

今のところ敵の小物感は強く、圧倒的強さを誇る真経津の不気味さが何よりも上回っていますが、いずれは銀行側とのバトルも始まるでしょうし、そうなれば通常の心理戦含め、真経津のキャラ設定や銀行側の闇の深さ等も加わって更に面白くなりそう。

1巻は無難なところに落ち着いている気もしますが、続きも見守っていきたい要素はあり、期待です。

 

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