ふだつきのキョーコちゃん / 山本崇一郎 7巻 感想 【ネタバレあり】

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ケンジと日々野さんとのデート。別荘でのやりとり以来、お互いを意識するようになった二人は、一気に距離を縮めていく。

ヒカリは夏祭りに「あの人」を誘おうと意気込み、浴衣の着付けを教わりにリン姉の元へ。
するとキョーコのハプニングから、ヒカリは、思い人が昔のケンジであることを知ってしまう。

夏休みが始まり、キョーコとヒカリは二人で仲良く縁日を見て回る。ケンジと日々野さんも二人で。眺めの良い山の上で花火を見る二人、ムード満天の中でケンジはついに…。

【感想】

最終巻。ヒカリの思い人への告白とケンジ・日々野の恋は完結。

ヒカリの過去ケンジの件はどう落とすのかと思っていましたが、あっさりリボンを取ったキョーコが言ってしまうという。
でもその後の、ヒカリの「ありがとうな、教えてくれて。言いにくかったろ。」は、さすがのフォロー。
散ってはしまいますが、最終巻まで引っ張ってこれたのはある意味それだけのキャラクターになったということで。まだまだこれから。失恋でまた一歩前進したヒカリです。

そしてケンジは日々野に告白。両思いなので当然、付き合うこととなる二人。
なんか、普通に嬉しい。少女漫画のように心情をがっつり描いた上での結末も良いですが、こうやってシンプルに進んでいく物語もとても良い。どちらかと言うと後者の方がかわいらしくて個人的には好みです。
フィクション感が強いのが、逆に良いんですよね。

特にこの作品は、嫌味なキャラや意地悪をするキャラ等がいないので、終始心穏やかに読んでいられます。
刺激が少ないので物足りない人も多いと思いますが、こういった作品でもちゃんと満足のハッピーエンドは描けますよと。誰かを下げなくても良いんですよね。
やっぱり、作者のこのスタイルが好きです。

まだまだ描ける内容はあったと思いますが、7巻で完結というのは個人的には最高のボリューム。特にこういったコメディについては。
ある程度で区切りをつけて、作者には次の作品でまた新しい世界を描いてほしい。
それも10巻以内には終わらせて、またいろんな世界を量産させてほしい。その方が、個人的には嬉しい。長く描くことももちろん良いことだと思いますが、僕はそう思います。

確かに、最後の終わり方はなんだか、まだ続きそうな雰囲気を感じさせます。ただ、作者が続きを描かないだけで、キョーコ達の生活は続くわけで、漫画の終わりはそれで良いのだと思っています。
しっかり、出てきたエピソードの決着は付けてくれた。それで十分です。

かわいいコメディが好きな方、平和な物語が好きな方には、この作品、もとい、この作者さんはオススメです。