ダンジョンの中のひと/ 双見酔 1巻 感想

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ギルドシーフに所属するクレイ。父親から教わった戦闘技術は並外れており、誰も到達していなかった地下9階へ足を踏み入れていた。

戦闘を教わった父親は3年前にダンジョンに行ったきり戻ってきていない。最深部と言われる地下10階まで行けば父親に会えるだろうと望みをかけてダンジョンを進んでいくが、地下八階でのモンスターとの戦闘中に謎の部屋が現れた。

そこにはダンジョンの管理人と呼ばれる少女がいた。実はこのダンジョンはこの少女が管理しており、モンスターの手配や配置、トラップの修繕や宝箱の補充など、様々なタスクをこなしながら運営をしていた。

クレイの強さに惹かれ、ここで働かないかと少女は提案をした。腕試しをするも少女の強さに敵わなかったクレイは、結局ここで働くことになってしまったのだった。

【感想】

父親を捜して入ったダンジョンで働くことになってしまった少女の物語。

最近こういったRPGのような世界観を捻った作品が増えている気がします。今作の肝は「ダンジョンが人によって運営されている」というところ。どういうこと、って感じですが、そのまんま。そして、主人公はそこで働くことになります。

 

ダンジョンの中のひと 1巻

モンスターの格好で冒険者と対峙したり、開けられた宝箱を補充したり…淡々と仕事をこなす主人公、クレイ。それも、管理人である少女ベルに戦闘で敵わなかったから。

父親はおそらく地下10階にまで到達しており、行方は分からないですが少なくとも地下10階までは行く必要がある。けれどクレイにはまだその実力が無く、鍛錬も兼ねてここで働くことになります。

 

ダンジョンの中のひと 1巻
ダンジョンの中のひと 1巻

元々地下9階までも来られる冒険者が限られているため、その強さをスカウトされた形。ただ、クレイにとってはここでいつまでも働き続ける意味はないので、ベルを倒せるくらいまで強くなれればおさらばかと思いますが、それまではベルの元でダンジョンに携わっていく…しかないという。

裏方仕事はいろいろな発見があって面白いものですが、これはその最たる物と言いますか。ゲームでは当たり前のように存在する人為的なダンジョンの作り。仕掛けとかアイテムとか。それを本当に人がやってますよという、ありそうでなかった視点で面白い。

絵がかわいらしくて四コマチックなコメディ感があり、セリフ回しもかなり緩いので「本格さ」は少し欠けるなと思いつつ、この緩さが良いところでもあります。
著者はきららキャラットで代表作がありますが、まさにそのイメージ。

メタ的な面白さと、緩いノリ。時々アクションもありつつ、父親探しと地下10階以降の謎。上手い設定で読ませてくれる良作です。

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