ルリドラゴン / 眞藤雅興 1巻 感想

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朝起きたら頭に角が生えていた…。

女子高生のルリは全く見に覚えのない角が頭に生えていることに気付く。母親に尋ねると、実は父親は人間ではなくドラゴンで、実はルリはドラゴンと人間のハーフだと知らされる。

突然の事実に戸惑いながらもとりあえず学校へ。当然クラスメイトから注目を浴びるが、恐れられることはなく面白がられなんだかんだで馴染んでいく。

するとある時くしゃみと同時に火を噴いた。そしてそのまま吐血して倒れてしまう。

ドラゴンの特性が少しずつ遺伝してきている。体がまだ対応できておらず、ルリとしては戸惑いばかり。母親はこの事態に慌てて行動を始め、ルリをドラゴンの娘として育てていくことに決めた。

【感想】

突然ドラゴンの娘だと知らされた女子高生の日常を描いた作品。

1巻は日常、というよりは突然の環境の変化を親やクラスメイトを交えて青春チックに描いています。

ここ数年で亜人ものが爆発的に増えましたが、今作は特別な出来事やエピソードもなく突発的に異人種に。母親が父親のことを隠していてルリもびっくりという、この母親のゆるさというか適当さというか、個人的に好きですね。ルリはたまったものではないですが。笑

ただ事態が起こってからの母親の奔走は素晴らしく、しっかりルリのことを考えているのが分かります。これくらいマイペースな方がルリも変に気を張らずに生きていけるのではないかなあと、勝手に思ってます。

クラスメイトには面白がる人や怖がる人、いつも通りの人、いろんな価値観のキャラを配置しながらあまり嫌な感じがしないというか、作品全体がルリという、悪く言えば異質な存在をちゃんと受け入れているような優しさを感じます。

高校生らしい日常がいくつか描かれますが、どれも良い意味で普通で、気まずくて学校に行けなくて友達が迎えに来るとか、勉強がうまくいかなくてスタバで勉強会とか、角が気になるみんなが角を触りに来るとか、普通の日常にちょっとだけ「ドラゴンの娘」という特殊要素を散らすだけの、大袈裟ではないけどちょっと変わった日常、というのがなんだか心地良いです。とにかく周りがみんな温かい。

こういった作品だと別の亜人が出てきてごちゃごちゃしたり、イレギュラーを悪用しようとして物騒になったりするものですが、出来れば今作はルリにスポットを当て続けて1巻のような雰囲気のまま平和なエピソードを重ねてほしいなあ、と思います。

ルリは人見知り気質でありながら人当たりは良いですし、ちゃんと自分も持っていてしっかりしていながら周りにも気を遣えてかわいらしく愛されるタイプ。こういった作品の主人公としてはちょうどいいなあと思います。母親との関係性も見てて楽しい。

ジャンプ連載というよりはサンデーとか、イブニングやアフタあたりのイメージですが、ジャンプでこんな作品が連載しているというのはちょっと嬉しい。続いて欲しいなと思います。

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