おでこさんウソつかない / 遠藤仁 1巻 感想

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不良と誤解されている高校生、成田。優しく真面目だが勉強ができず、入学時のとあることがきっかけで危険人物だと噂されている。

そんな成田の隣の席は委員長の小出さん。小出さんは、考えていることがおでこに「文字で」出てしまうという性質があり、そのおでこの文字は成田にしか見えない。

成田の学力が問題ということで、小出さんが面倒を見ることに。小出さんは勉強が好きなのでやる気満々。

また、正直な人が好きだという小出さん。実は、成田にもとある性質があり、考えていることが顔に「文字で」出てしまい、それは小出さんにしか見えていない、ということ。

正直さが顔に出てしまう成田、色々とごまかしながらも本音はバレてしまっている小出さん。そんな二人のハートフルコメディ。

■感想

特殊設定の二人のコメディ。二人とも真面目でかわいらしく、癒されます。

二人ともお互いの本音が見えて、でもお互いそのことは知らない。お互い気を遣い合って本音を言うことは少ないのですが、その全ての本音が顔(おでこ)に出ていて、それがちょっと微笑ましいような内容ばかりなので、本音が見えることで逆に関係が良くなるという、滅茶滅茶平和なお話。

二人が素直な良い人だからこその設定。本来なら嫌な部分ばかり見えそうな気もしますが。笑
お互い気を遣いながらお互いが相手の望むようにするという平和さが素晴らしいです。

二人とも学校では友達が居らず、勉強を通して仲良くなっていきます。途中友達も出来ますが、その辺りのエピソードも初々しくて良いですね。

恋愛的には特に動きはなく、友達もいない二人同士ということでまずは友達というステップを踏まざるを得ない、という感じ。まあ、いずれはそういう展開もありそうですし、そうなって欲しいとは思います。

意外と相手の本音が分かることが物語に大きく影響していないというか、この設定だからこそのエピソードはほぼないです。普通の日常コメディにほんのちょっとスパイス的にかかっているくらいで、悪く言うと設定を活かしきれていない感もありますが、個人的には特殊設定がこんな自然に溶け込んで会話が進んでいるということが面白いなと思うので、アリです。

ただこれから巻が続いていくならば、たまには、本音が見えるからこそ起こるちょっと長めなエピソードとか期待してしまいますね。

総合的には、こういう作品はかなり好みです。優しい世界に浸れます。おすすめ。