黙示録の四騎士 / 鈴木央 1巻 感想

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辺境の地で暮らす少年パーシバル。祖父のバルギスと共に自給自足の生活をしていた。外への憧れはあるものの、祖父との暮らしは楽しく、祖父が一緒にいればこのままこの地でずっと暮らしていきたいと思っていた。

そこへ、一人の騎士が遠くからやってくる。バルギスを探しているというその騎士は、パーシバルから居場所を聞きバルギスの元へ。

嫌な予感のしたパーシバルだが、時すでに遅く、バルギスは攻撃を受けていた。
反撃も虚しく、バルギス、パーシバル共にその騎士から致命傷を与えられてしまう。

その騎士は、主君のアーサー王を脅かす「黙示録の四騎士」という存在がいずれ現れるという予言を受け、その芽を摘みにきたという。

なんとか一命を取り留めたパーシバルだが、死を免れられないと悟ったバルギスはパーシバルに最後の言伝を残す。あの騎士は、パーシバルの実の父親、イロンシッドであり、父親の存在を隠していたこと、この事件の真相は本人に直接聞くしかないと伝える。

バルギスは死に、目の前で祖父を亡くしたパーシバルは、この事件の真相、そして父親の謎を知るべく、故郷を旅立つ。

【感想】

鈴木央さんの新作。七つの大罪の続編という扱いだそうですが、単品で読んでも楽しめます、とのこと。

七つの大罪は連載が始まった頃に数巻読んだだけなのでほとんど知らず、この作品がどう七つの大罪に関わってくるのかはよくわかりません。
世界観が近いのかな。

一巻だけで言えば、よくある冒険物の冒頭と言った感じで良くも悪くもスタンダードな印象です。事件が起きてからの旅立ちは早々ですが、滅茶苦茶な攻撃を受けて生きている主人公ですので既にそれなりの実力がある状態でのスタート。

パーシバルにとってはいきなりの展開でわけがわからないはずですが、心の切り替えは早いです。16歳の割には天真爛漫で明るく、振る舞いは小学生くらいのイメージ。復讐物語ではありますが、恨みのエネルギーはそこまで見られず、いつもと変わらぬ調子で進んでいきます。

その後、相手との戦いの中で力を身につけていく流れとなり、少しずつパーシバルの力が明かされていきます。

そんな主人公パーシバルは、遠くない未来、世界にとって超危険人物になるという予言を受け、敵から狙われるという展開に。

パーシバルの父親がアーサー王に仕えているということもあり、パーシバルという名前的にも円卓の騎士をなぞらえているようですので、アーサー王物語をモチーフにしているようです。七つの大罪もそうだったのかな…?

パーシバルのキャラのおかげか、冒頭のヘビーな展開に比べて重苦しい雰囲気はなく、王道冒険ファンタジーが始まる、という少年漫画的なわくわく感はあります。主人公が未来の危険人物という設定も少し捻ってあるので良いですね。

七つの大罪を読んでいなくても楽しめますし、読んでいればおそらく期待値はもっと上がるのだろうと思います。

 

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