ミステリと言う勿れ / 田村由美 3巻 感想 【ネタバレあり】

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狩集家の相続争いに巻き込まれた整。かつては遺産を巡って殺し合いがあったと言われるほどの壮絶なもので、孫の汐路にも身の危険が及んでいた。

課題である蔵の謎を解こうと試行錯誤する孫たちだが、中々進展しない。そんな中、整は蔵にある人形や食器の不自然さに気付きつつあった。

孫の親たちが亡くなった事故、汐路の父親が運転する車での居眠り運転による事故だと言われていたが、汐路は遺産相続のため殺し合ったのだと主張する。父親の過失に納得ができない汐路は、遺産相続での殺し合いを原因にするために、今回の相続争いでも自ら危険を自演していたのだった。

それに気付いた整は汐路を止め、改めて蔵の謎解きを再会するが、ある時、整は何者かに命を狙われる。見に覚えのない危険にさらされた整は、この相続争いの謎に本格的に向かい始める。すると、孫の親たちは誰かに殺されたのではないかという可能性が浮かび上がった。

過去のしきたり、伝統が受け継がれ、今でもそのルールが残っている家々。そのしきたりに沿うために、殺人も厭わない者がいた。整は罠を張り、犯人を追いつめることに成功する。

【感想】

ミステリという勿れ、ミステリらしくなってきました。ひたすら整がしゃべっていた1、2巻に比べ、謎解き要素が多い3巻です。

それでも整のお説教・お節介タイムも何度も発動し、よくまあここまでネタがあるなあと感心します。独り言のようなものですが、妙に説得力がありますね。あくまで整が思ってる一意見であって主張の押し売りではありませんが、この度々挟んでくる露骨さが勘に障る人もいそう。この整のぼやきタイムにイラッとするならそれこそ整にぼやかれる案件ですので今作は合わないかなあと思います。
納得出来るものもあれば、そうかな…?と思うものもありますが、正しい正しくないは置いておいて、それはそれで整というキャラを形作っている確かな要素ですので、これがなくなると途端に普通のミステリーになってしまってつまらない。次巻以降もバンバン整の常々思っていることを話して欲しいと思います。

肝心の内容は、登場人物が多くて頭の中だけで整理するには僕の小さな脳みそでは限界がありましたが、大筋が徐々に見えてくるストーリーには唸りました。

蔵の謎から汐路の親たちの死の謎、順を追って調べていく整の探偵感。「攻撃されたら攻撃的になる」という自分の性格に気付く整、面白い。やられたらやり返す、整の静かな闘志が良い。しかしまあカマをかけたら釣れたというのは、犯人もちょっとお粗末でしたね…笑

そしてこの相続争い自体、仕組まれたものだったのでは、というところで次巻。あとがきで自虐していた田村先生ですが、十分ミステリしてますね。面白いです。

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