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悲鳴嶼の訓練はシンプルだが厳しい。苦戦する炭治郎だが、玄弥からヒントをもらい与えられた試練を何とかクリアする。息絶え絶えの炭治郎に悲鳴嶼は声を掛け、先般の戦いを労う。炭治郎のその真っ直ぐさと謙虚さに驚かされ、自らの身の上を引き合いに悲鳴嶼は改めて炭治郎のことを認めた。
突如として産屋敷邸に現れたのは、鬼舞辻無惨だった。既に死期の近い産屋敷に心底絶望する無惨だが、話を進める産屋敷。無惨と産屋敷は同じ血筋だと良い、無惨のような鬼を出してしまったせいで産屋敷の一族は呪われ、すべからく病弱な体つきであった。千年以上生きる無惨を殺すこと、それが呪いを断ち切る方法だと知る。
永遠の命を求める無惨に対して、永遠とは人の思いだと説く産屋敷。柱たちは無惨への憎しみを永遠に抱えて、今も首を狙っている。そして、産屋敷の「無惨を殺せば全ての鬼が滅ぶ」という推測はどうやら当たっていた。
産屋敷を手に掛ける無惨。その瞬間、屋敷諸共爆発が起きる。産屋敷のトラップだった。ダメージを負う無惨。追撃を掛けるのは、駆けつけた珠世。人間に戻す薬が出来たと、無惨の体内にねじ込む。そして、続々と集結する柱達。初めて出会った無惨に激高する柱たち、そして炭治郎。同時に型を繰り出すが、無惨の術により皆散り散りにされてしまう。
しのぶが出会ったのは、上弦の弐。人間を食べている最中だった。上弦の弐、童磨。その鬼は、しのぶの姉を殺した張本人。仇だった。
首を切れないしのぶだが、突きのスピードは並外れている。押す力、突く力、そして毒をメインに童磨に相対するしのぶ。
毒も初めは効いたかと思われたが、徐々に慣れていく童磨。打つ手がないしのぶに、氷を使った血鬼術と対の扇の殺傷力で追いつめる。そしてついに致命傷を負ってしまう。
ボロボロになりながらも、姉の思いを思い出し立ち上がったしのぶは、渾身の突きを童磨の首目掛けて打ち込んだ。
【感想】
序盤の訓練。炭治郎を賞賛する悲鳴嶼に対して、まだ認めてもらっては困る、と炭治郎は言います。
禰豆子を犠牲に鬼へ向かったのは自分の判断ではなかった。禰豆子の判断だと言い切る炭治郎。自分の未熟さを理解していて、はっきりと言葉に出来る強さ。
禰豆子を犠牲にしたこのエピソードを、すごくしっくりくる形で補完してくれました。あの描写はどうだったんだろうと思っていた僕にとってはすごく有り難い会話でした。
そして、突然の無惨襲撃という一気にスピード感と緊迫感のある展開に。
産屋敷は始めから自爆の心積もりだったということですね。妻と子供はどういう思いだったんでしょう。無惨も気になっちゃう辺り意外と優しいですね。笑
この巻では悲鳴嶼の存在感が圧倒的。数珠ジャラジャラする盲目の坊さんみたいな変なキャラでしたが、ここにきて過去エピソード、柱を統率するリーダー感、産屋敷からの信頼、伊之助と炭治郎が「柱最強」とまで言わしめる実力。涙を流していない悲鳴嶼の迫力は圧巻です。
その後はしのぶの話。姉の仇との対峙ですが、結構絶望的だなあ…死なないで欲しいんですが…。
首を斬れない、という言い方が前から違和感があったんですが、やっぱり体格とか筋力的な問題なんですよね。それだとやっぱり違和感で。いくら医学・薬学などに精通していて毒をメインに戦うとしても、柱になるほどまでの鍛錬を積んでおきながら首が斬れないほどの非力さとは到底思えないんですが…。
つまり、今更かもしれませんが、柱以下の人間レベルの「斬る力」とするのが妥当ですよね。要は、「上弦下弦レベルの鬼の首」は斬れない。作中では「柱の中で唯一鬼の首が切れない」としてるので、そういうことですよね。ただこの「首が切れない」という言い回しが未だに解せない…。出来れば、何か精神的な理由でこの設定にして欲しかったなあというのが正直なところです。
しかし、勝てる気があまりしないですね…。毒が効かなくなったところで、結構絶望してしまいました。何かトリッキーな策を編み出さない限り一人では厳しい。つらい。
渾身の突きを繰り出して巻またぎですが、どこまで上弦の弐を追いつめることが出来るのでしょうか。はたまた、勝つのか。次巻に期待です。