乙嫁語り / 森薫 11巻 感想 【ネタバレあり】

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スミスを追いかけてきたタラス。スミスよりも先にアンカラに着いていたタラスは、長らく待った末、ついにスミスを見つける。

ホーキンズにタラスのことを伝えるスミス。ホーキンズは呆れかえるも、スミスの旅程を支援する。

カメラの用意。写真を撮るために必要な機材、薬品は多く、危険な物もある。中々うまく撮れないスミスだったが、試行錯誤を繰り返し徐々に形になっていく。

スミス、アリ、タラスの三人は今まで来た道を戻る。カメラを使い、行く先々で記録を残すことが目的。
ホーキンズにつくニコロフスキも途中まで同行することになり、ひとまずはアンタリヤという町を目指す。

【感想】

タラスと再会したスミスの、新たな旅立ち。タラスは今までの乙嫁の誰よりも、恋をしています。

タラスがスミスを追いアンカラへ向かう話。正直会えるかどうかも定かではない、途方もない話で、会えたこと自体が奇跡。漫画的ではありますが、その奇跡を誰もが見たかったもので、一安心。スミスを待つタラスを見ていると、会えるということがわかっていてもなんだか胸が痛い。

しかし、タラスの現旦那がいい人すぎますね。アンカラにまで来て…一人で戻るのでしょう。この人がタラスの旦那で本当に良かった。

タラスを連れてきてから、ホーキンズの態度が露骨に不躾になっているのが笑ってしまいます。スミスはやっぱりモテるんですかね。

カメラと写真について。かなりコマを割いています。写真の撮り方をここまでちゃんと描ききるとは。理屈がさっぱりですが、凄い技術ですね。今となっては写真は当たり前に身近にあるものですが、その構造はとてもじゃないですがわかりません。
この時代のこの手間が、今の技術の礎となっているわけです。当時はこれで画期的なものだったのでしょうから、時代の流れの速さは本当に凄い。

途中、スミスが放り投げた時計の行く先が描かれます。いろんな人の手を尾ひれが付きながら渡っていき最終的にスミスの前に現れるという。長い旅をした時計。いつのまにかロシア皇帝のものになっていました。伝言ゲームもここまで来ると芸術。

アンタリヤではブランコを楽しむタラスさん。はしゃいでしまって…。タラスの元々高い株がどんどん上がりますねえ。メインヒロインはこれ、タラスになりそうですね。

来た道を戻る旅路、ということで、これまで訪れた町に再び、ということでしょうか。エピローグのようなイメージなのか、新しい乙嫁が現れるのか、わかりませんがスミスの旅はまだ続きます。

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