彼女、お借りします / 宮島礼吏 1巻 感想

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都内の大学に通う主人公の木ノ下和也。始めてできた彼女に一ヶ月で振られ、傷心の中目に入ったのは「レンタル彼女」サービスの会社。
寂しさから応募してしまい、当日会ったのは水原千鶴という女の子。

清楚で可憐なそのかわいさに圧倒されつつも、和也は彼女にフられたショックから八つ当たりを繰り返してしまう。すると千鶴の態度は豹変。和也に対して怒りをぶちまける。

そこへ和也に、祖母が倒れたとの連絡が入る。病院へ向かう二人。女の子を連れてきたことに喜ぶ祖母を前に、咄嗟に千鶴を自分の彼女だと紹介してしまう。

歓喜のあまり泣いてしまう祖母に対して本当のことを言えない和也だが、千鶴にはもう頼らないと決めた。いつか自分の力で、自分の彼女を祖母の前に連れていくことを千鶴に約束し、二人は別れた。

恋人ごっこはやめ、今まで通りの童貞大学ライフを満喫しようと意気込んだ矢先、大学で出会ったのはなんとあの水原千鶴だった。

【感想】

「レンタル彼女」という時間制で指名した子を彼女に出来るサービスから始まる、大学生のラブコメ。

当然彼女たちは仕事で演技をしており、呼ぶには水商売のようにそれなりの金額がかかります。
そのレンタル彼女を運営しているDiamondという店で高評価を出し続けているのが水原千鶴。

千鶴は自分の仕事として割り切り、誰に対してもどんなシチュエーションでも100点の対応力を発揮する素晴らしいキャラ。素の性格もさっぱりしていて筋も通っており、口は悪いけれども根はすごくいい子。

しかし肝心の主人公である和也は、フられたはらいせのように千鶴に当たり散らしたり、トラブルの度にその場しのぎのために頭を下げたりとなかなか好かれないタイプのキャラ…。これは引っかかる人多そう。1巻なので荒々しさがあるのは仕方ないとしても、ラブコメとしてはかなり致命的のような気も。

基本、主人公とヒロインがくっつくことをゴールとして見るなら、メインキャラの幸せを願えないキャラ設定はかなり厳しい気もしますが、どうなんでしょう。

ただ読み物としては、これから千鶴や新しいキャラとの交流を経て、「恋人ごっこ」にしか思えない恋愛へのコンプレックスを徐々に払拭していく過程を楽しむものだと思うので、序盤の主人公に対しては「ヤバいヤツだなあ」くらいの遠い目で見てあげるのが正解だと思います。
その部分さえクリアすれば、絵も綺麗ですし漫画としては面白いと思います。

また、少しご都合が過ぎるところもありますが、これだけ極端にやられると逆に乗っかりたくなりますね。コテコテのラブコメとして。瞬間ワープのようなもので、煩わしさはある意味ないです。読者に受け入れられるかは博打のようなものですが…。

ちなみに登場人物は他にも、和也の友達、和也の元カノが出てきます。元カノについてはブラックな面が見え始め深堀出来そうな雰囲気はあります。気になるところで巻も跨ぎますし、まだキャラも増えるでしょうから見所はありそう。

いずれにせよ、和也の成長が鍵。千鶴があまりに良いキャラなので、釣り合うように頑張って貰いたいものです。

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