地獄楽 / 賀来ゆうじ 1巻 感想

地獄楽 / 賀来ゆうじ 1巻 感想

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4.0

石隠れの里の忍者、画眉丸。ある理由で衆を抜けるが、罠にかかり役人に捕まってしまう。

死刑を言い渡されるが、画眉丸はどんな死刑も効かず、生き延びてしまう。
生に執着はない、いっそ殺して欲しいくらいだという画眉丸だが…。

画眉丸の調書を取る女性、佐切。画眉丸の噂を聞きながらも、恐れず、ただ仕事のために画眉丸から聞き込みを行う。
何故捕まったのか、何故衆を抜けようとしたのか、何故、生に執着はないと言いながら、死ねないのか。

画眉丸は、長の娘を嫁にもらっていた。しかし、その嫁は愚鈍で、口はうるさく、平和ボケで世間知らずと罵る画眉丸。忍者としてこのままでは鈍ると思った画眉丸は、長に抜けることを伝えたのだった。

その話を聞いた佐切は、一つの可能性を感じた。画眉丸が死ねない本当の理由は…。
そして、その佐切の正体にも秘密があり、またの死刑執行の日、画眉丸は大きな選択を迫られることになる。

【感想】

叶わない幸せを求める主人公が、生きるために奮闘するダークファンタジー。

里の忍者の主人公、画眉丸は超強キャラ設定で、簡単には殺されない強さを持っています。そんな主人公が、掟を重んじる衆を抜けるということがどういうことか分かっていながらそれでも抜ける決意をした本当の理由が、画眉丸の「生きる意味」であり、実は生に大きく執着していたことの表れとなります。

また、佐切は画眉丸にとっては目付役のような立場で、彼女もある程度の力を持っています。

1話以降は、画眉丸のような罪人を集め、それぞれに佐切のような監視役を付け、不労不死の薬があるとされる無人島へ流されサバイバルをさせられる展開となります。

その無人島では変死が相次ぎ、無事に戻ってこられる保証がなく、集まるのが気の狂った罪人だらけということで少しずつバトル物の流れになっていきます。

ただし、どちらが強いかという単純な戦闘にはならず、画眉丸はそもそも戦いに対して疑問を持っていて、人を殺す重みを知っています。そういった葛藤を上手く描けていて、ただ力比べや能力比べをしているだけではないので1巻の戦闘は楽しめました。

この「人を殺すことで背負うもの」という観点は、ヴィンランド・サガのトルフィンを思い出しますが、全く同じような葛藤と戦っています。
トルフィンはまだその葛藤から抜け出せていませんが、画眉丸はどう付き合っていくのか、その点は気になりますね。

勝負では、他の罪人に比べても画眉丸の強さは上の方だと思うので、画眉丸が成長していくというよりは、画眉丸の心の動きを追っていくことがメインになりそうで、そちらの方が面白味があって好きです。

加えて、この無人島そのものの謎も重要な要素で、不可思議な環境でヤバい奴らが戦い合うという面白さ。プラス画眉丸の精神面も気になり、佐切たち監視役もただの端役ではないようなので見所はあります。

絵は粗いですが上手で迫力はあります。グロ描写は大したものではありません。ジャンプ読者なら大丈夫なレベルだと思います。

ネタバレなしで書くのが少し難しいのですが、少しダークなジャンプのバトル物としては上出来な気がします。おすすめです。

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