一ノ瀬家の大罪 / タイザン5 1巻 感想

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目が覚めると病院のベッドの上。「翼くん」と呼びかけられるも、誰のことだか全く分からない。周りの家族らしき人たちも見覚えがない。自分は記憶喪失のようだと自覚したが、意外と家族たちの反応がふつう。というのも、なんと周りの家族らしき人たちもみな記憶喪失なのだった。

家族は祖父、祖母、父、母、自分、妹の六人構成。車で外出中に事故で全員が負傷し、全員が記憶喪失になり、家族なのに全員が初めましてのような感覚。

しかし落ち込んでいても仕方がないということで前向きに記憶を取り戻していこうと、翼を中心に和気藹々な雰囲気だった。

ひとまず記憶が戻るのを願いながら自宅に戻るが、家は何とも重々しい雰囲気。各々に自室があるが、その自室もそれぞれが思い描いていたものとは違っていたのだった。

■感想

タコピーの原罪」の著者、タイザン5さんの新作。週刊少年ジャンプですね。

1話は中々傑作。翼が記憶喪失だと気付いた家族の反応で「え、もしや…」と思いましたが、その通り、全員が記憶喪失という始まりに不謹慎ながら笑ってしまいました。

明らかに不幸な境遇ですが、翼をはじめ家族みんな割とのほほんとしていて、不幸さを感じさせない展開が逆に嵐の前の静けさというか、怖さがあります。前作を知っているからかもですが…。

妹だけは現状に少し打ちのめされているようですが、家族の雰囲気に負けて前向きに進んでいこうというところは、一番人間らしさがありますね。

基本的に重い話だと勝手に理解しているせいか、ページが変わる前の怪しいフリにどうしても身構えてしまうという、良いのか悪いのかわからないホラー漫画のような感覚で読んでしまいましたが。笑

しかもその想像を上回るえぐい描写もあったりして、やっぱりそういう漫画です。

ただ「記憶喪失家族」という設定は個人的にはかなりヒットですね。前例あるのかな。知らないのですが、色々広げられそうで期待値高いです。

家族それぞれに闇があるようで、その闇を一つずつ解決していく流れになるのかなと思います。1話は主人公である翼でしたが、彼の場合はイジメ。描写は中々つらいものがありますが、結末は割と救いのあるものになっているのでそこまで読後感は悪くない。ただ、主犯との関係に関しては、個人的にキャラがぶれているように思えてしっくりこなかったのですが…。

次巻はおそらく妹の話。こちらも闇が深そう。

全体的に明るくて軽いノリで繰り広げられつつも、局所的に生々しくて辛いシーンもあり心が少し不安定になりそうな作品。陰と陽の表現がかなり上手なので、そういうアップダウンさが魅力かも。陰の部分が苦手な方もいると思いますが、作品としてはかなり面白いですし期待値も高いです。