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大炎上から一年、大型配信フェスの依頼が掛かったコズミック。炎上以降は真面目に活動を重ね、数字を更に上げるために出演は前向きに考えていた。
カフェで働く花織琴乃はコスモに入れ込んでいるが、ガチ恋勢を軽蔑し、自分はコスモには迷惑をかけない「本当のファン」であることを自負していた。
ある日、ガチ恋の一人がコスモと接触する。高校生のゆっこは街で出会ったコスモを家まで追いかけ、半ば脅す形でコスモにお近づきになった。
SNSでこのことを知った琴乃は、次第にコスモへの気持ちを抑えられなくなっていく。
コスモに相応しくない、我慢している私が会えないのはずるい、欲深い感情が渦巻き琴乃を支配していく。
ゆっこのアカウントを特定し、脅しを掛けた琴乃。全ては、コスモのため。
【感想】
お次はコスモ。ガチ恋キャラは新キャラ、琴乃。タイトルが「新しい獣」ってことでね、動物ショーじゃないんだから…と思いつつ的を射ています。
誰にでも優しく、でも動画配信を続ける上で障害になりそうなファンには関わらない、しっかりしているコスモでしたが、やはりガチ恋勢は上を行くもので。
コスモがやらかさなくても、事件は起きるときには起きる。ということで、ガチ恋勢がまたもやらかしていきます。
ゆっこも琴乃も、とにかく行動の根元は嫉妬。正直者が馬鹿を見る世の中とは良く言うものですが、そこではみ出した者が果たして幸せになれるかどうかはわからない。
それでも我慢できなくて自分の判断で行動することも自由で、その場合は自分の行動に責任やリスクが伴うことも忘れてはいけないわけです。この場合の最大のリスクで言えば、コスモから嫌われること、でしょうね。
当然、コスモはこういうイレギュラーを発生させるタイプのファンが嫌いなので、こじれていきます。
ある意味、生活がおかしくなることも友達と仲違いすることもコスモに嫌われることも、ルールを破ってコスモを脅してまで会いに行った行動の結果なわけで、それが判断の責任。これが理解できない限りはいつまでも前に進めないと思いますが、ゆっこはどうなることやら。
琴乃はまだ、自分のしていることに気付いていません。いずれ大きなしっぺ返しが来ると思いますが、大きな感情は本当、大きな事件を起こすものですから…怖いですね。
熱烈なファンというのは現実にもいますが、今作が誇張表現をしたフィクションなのか、はたまたノンフィクションと言えるのか…僕にはわかりませんが、妙にリアルな感じがするのは現代を上手く映しているなあと感じます。
メディアが多様化する中でこうやって作品のテーマも様々に広がっていくのは面白い。
この点は、毎日膨大な作品が供給されている漫画ならではだと思います。