ダイヤのA / 寺嶋裕二 46巻 感想 【ネタバレあり】

ダイヤのA / 寺嶋裕二 46巻 感想 【ネタバレあり】

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1点リードされ9回、土壇場の青道はツーアウトまで追い込まれますが、
春市、御幸、前園の連続ヒットにより逆転。

9回裏のマウンドには沢村に代わり降谷が。エースとして3人でピシャリと抑え、ゲームセット。
秋大会優勝を果たしました。

【感想】

ここまでの野球漫画、もう早々現れない気がします。
46巻にして、ダイヤのA至上最高の巻。

最後の片岡監督の三年生に向けた言葉、これは泣ける…。夏に負けたのも、このセリフの伏線なのではと思うほど、あまりに良すぎます。

9回の逆転のシーン、まぐれで出たヒットは一本もない。春市も御幸も前園も、これまでの経験や気持ちがバックグラウンドに見える。だからこそ、セリフや回想を重ねた描写が、ボールに乗っかってヒットにしてくれたよう。

ここぞというときに、繋がる。これはリアルの野球でもたまに起こることですが…当然基本的には繋がらないことの方が多い。確率的には。でも、大事な場面で漫画みたいに、びっくりするような流れを呼び込むことがあります。

漫画だからこそ、漫画の表現で漫画的な展開を見せてほしい。そのために読んでるのだから。
その期待には見事に応えてくれました。

追い込まれていたのは青道ですが、逆から見れば薬師もあとワンアウトが遠い。薬師の監督の表情が良い。最後の方はもう気が気じゃないのが伝わってきて少し笑ってしまった。本気さが凄く伝わってきました。

最終回、雷市に回っていたら、何かが起きていたのだろうか…全く別の物語になっていたでしょうか。ただ、雷市に回せなかった、この結果だけで、薬師はまだまだ強くなれる気もします。

今回、真田が打たれましたが、打たれた側には珍しく「打たれる要因」がありませんでした。
どこも悪くなかった、真田にも思いがあった、その思いを、青道の思いが単純に上回った。それだけの話で、それだけの話が何でこんなに心動かされるのだろう。

9回、降谷が最終回のマウンドに上がり、沢村は降板したこと。はっきりと、このチームのエースは降谷だと分かってしまった。
まだまだ、終わらないんだなと、むしろ、新しいスタートが始まるんだなと。第一部完とはよく言ったものです。まさに、沢村にとっての第一部じゃないですか。まあ、あと一巻あるけど…。

あとこの作者さん、とにかく絵がうまい。学生時代野球漬けだとは信じられないくらいうまい。
御幸が一塁を駆け抜けるシーンと御幸のホームインのシーンは鳥肌。構図が格好いい。降谷が投げる9回裏のサイレント。スラダンさながらの圧巻の一話。絵で魅せられないとこうはいきません。
これまでも絵のパワーは十分発揮されていますが、再確認となりました。

落合コーチも言うとおり、青道は片岡監督を辞めさせられなくなったはず。
第二部はセンバツですね。片岡監督と共に、まずは春を制覇し、夏は稲実との勝負に期待です。

ここまで、それなりの巻数を重ねましたが、密度のある作品だと思います。読みやすいですし。
あと一巻、おそらく後日談。最後まで期待です。

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