DEATH NOTE 短編集 / 原作:大場つぐみ、漫画:小畑健 感想

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・夜神月が死に、ニアがLとして活躍するようになって三年。再びデスノートを使う人間が現れる。
警察はノートの存在を疑い始め、ニアは既にノートの力だと100%確信していた。しかし、ニアはこの犯人には興味が持てない。名付けるならばCキラ(チープキラ)だという、新たなキラ事件の結末は。

・再び人間界にノートを落としたリューク。拾ったのは、勉強は出来ないが知能指数はトップクラスの高校生、田中実。ノートの使用など到底考えられない実だったが、ある一つの使い方を思いつく。その驚くべき方法とは…。

・本編とは別の世界。中学生の鏡太郎は道ばたで一冊のノートを拾い、何の気なしにそのノートに日記を書いた。すると翌日、日記に書いたクラスメイトが死んだという知らせが入る。
鏡の前に突然現れた死神のリューク。デスノートの存在を知った鏡だが、リュークから渡された消しゴムを使えば殺した者を生き返らせることが出来るということを知る。
すぐさま生き返らせることにした鏡。しかし、再び事件は起こってしまう。なんとリュークはもう一冊ノートを落としていたのだった。

・その他、Lの日常と過去を描いた短編、おまけ四コマを収録。

【感想】

デスノートの新作短編集。全て雑誌で既読でしたが、デスノートならば買わざるを得ないということで買いました。

もう15年近く経つのですね。今、若くてまだ読んでないという方。もし「オールジャンル漫画好き」を自称するのであれば、デスノートは必ず読みましょう。12巻というコンパクトさで、歴史に残る完成度です。

この短編集ですが、本編はもうキリが付いていますので全く別のベクトルの話。デスノートを知っていることが前提ではありますが、知らなくても面白いとは思います。ただ、壮大なネタバレを食らいますので本編未読の方は先に本編を読みましょう。

始めの「Cキラ編」は後日談のようなもので、新たなキラは出てくるもののストーリーとしては目立つものはなく。本編が終わった後、こういうことがありました、くらいの雰囲気。ニアの良さが全面に出ていること、警察が相変わらずっぽいこと、など、本編を好きな方へのサービス回のようなイメージでした。

次の「aキラ編」は本格。別格。まだこんなストーリーを眠らせていたのか…という素晴らしい内容。主人公、実のデスノートの使用方法について。デスノート本来の使い方ではなく、使わずに自分の利益にするにはどうすればいいかを考えた結果のストーリー。
しかし、結末は目を覆いたくなるようなもので、このデスノートという作品の根幹はこうなんだなと、ブレないところは良くも悪くもすごいなと。個人的にはあまりよろしくない結末なのですが、そういう作品ですよね…はい、これは仕方ない…。

「鏡太郎編」は本編の前身の読み切り。消しゴムで生き返らせられるという、少し安心設計のデスノート。主人公が中学生ということもあり、本編のような恐ろしさ、エグさは抑えめで、道徳的な意味合いも強い短編。読み切りでこの存在感は凄い。

総じて、デスノートが好きな方は買って損しません。本編と比べてしまえば当然劣るかもしれませんが、短編集としての出来は十分。ただ、本編未読の方は出来る限り、本編を読んでからをおすすめします。

何年も経って、新作が読めるなんて有り難い話です。

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