ブルーピリオド / 山口つばさ 13巻 感想 【ネタバレあり】

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ノーマークスに入り浸る八虎でしたが、同じく入れ込んでいた久山さんが「もうここには来ない」と言い去ってしまいました。

久山さんはかなり自分探しに難航している感じですね。この思考は割と、周りに縋っているような感じで謙虚さが乏しいというか、ちょっと危ないなと思います。

鷹田さんが後ほど言う『「ここなら本当の自分を理解してくれる」つってくるやつ大っ嫌い』というセリフはあながち否定できない部分はあります。

しかしまあ八虎はナイーブなところがあるのでもやもやしてしまっていますね。少し図星を突かれたところもあるということでしょうか…。

ブルーピリオド 13巻

いつのまにか今回の講評まで一ヶ月を切り、「罪悪感をテーマに制作」という課題のヒントはまだ見つからないまま。

ノーマークスは美大の先生や助手からはやばい宗教だと思われているようで、そこにしばらく居た八虎は複雑な気持ちに。

キリオがやばいやつだと周りから言われていても、実際に会うキリオにはそうは思えず葛藤が生じるという、八虎の素直で良い面が表れてます。本当に八虎は優しいです。

端から見たら、八虎が毒されているように見えてしまいますが、読者的にはキリオの人間性が分かる分、複雑な気持ち。「いやいやキリオは変なやつだけど悪いやつじゃない」という、個人的な感情はありつつも、それすら「入れ込んでる」と思われてしまいそうな危うさ。カリスマ性のある人間に惹かれるというのは、一種の宗教でもあるのでしょうか、とちょっと考えてしまいました。

八虎とキリオが映画を見ていて、突然キリオが活動拠点を解体することを告げます。

ノーマークスは営利団体ではないので資金繰りが厳しく、続けていけないそう。ここでキリオがぼそっと漏らす「ただ 美術がやりたいだけなのにね」という本音が、八虎に大きくのしかかります。

ブルーピリオド 13巻
ブルーピリオド 13巻

ノーマークスはやばい団体だと揶揄されていても、そこで得た経験は決して無駄じゃないと言える八虎。強いです。しっかり自分を持ってます。

課題に向き合うに当たって考えを巡らせる八虎。

「正しいもの」も「正しくないもの」もこの世にはないんじゃないか、じゃあ「罪」ってなんだろうか。「罪」はなにをもって「罪」と決まるのだろうか。

そして結論、罪とは解釈、解釈とは視線、そしてその視線の先には…

ブルーピリオド 13巻
ブルーピリオド 13巻

という、ごめんなさい、よく理解できなかったんですが。笑
人によって罪と感じる度合いが違うと言うことであれば、人によって「解釈」がある、ということかな。視線というのはよくわかりませんが、罪について向き合うことだったり注目することだったり、ということでしょうか。

この気付きをどう作品に活かすか、八虎のひらめきに期待を寄せてしまいます。


八虎は自分の作品のために仲間たちに声を掛けます。カメラやプロジェクターが必要だそうです。

八虎って見た目と反して臆病というか、引っ込み思案というか、その辺が良いとこなんですけど突っ込まれてます。笑
でも、周りを頼るのって結構難しいんですよね。分かります。

ブルーピリオド 13巻

余談ですが、八虎の性格って1巻から少しずつ変わっているような気がして、昔よりも気遣い屋になっているというか周りの目を特に気にするようになっているような。経験のない美術を始めて藝大に入ったという環境がそうさせていると思いますが、この作品は八虎の成長物語でもあると思うのでこういうキャラクターの変化は面白くて、素晴らしいなあと思ってます。

そして講評当日。相変わらず犬飼先生はみんなをボロクソに言って周りますね。意外と他の先生たちはそれなりに評価している様子。

ここまで来ると犬飼先生の作品が気になってきますが。笑
たぶん理解できないでしょうし、犬飼先生自身が理解されないだろうと思ってんじゃないかとすら思ってしまいますが。

そして八虎の番。でかい箱に覗き穴があるだけ。そんな作品。

覗き穴を覗くと、覗いている目が映る、という仕掛け。

ブルーピリオド 13巻
ブルーピリオド 13巻

人は何か物事が起きたときにその物事を覗きますが、覗いてもあるのは事実だけ。その事実に罪悪感を感じるかどうかは人の解釈が必ず入るものだと主張する八虎。

ノーマークスでの経験。ノーマークスはあれこれ言われていますが、八虎がノーマークスで得た経験は誰かから「良い」「悪い」を決定づけられることではないと言います。

正しいか正しくないかは人によって違って、それは見方次第ということ。いろんな良い悪いが混在していてぐちゃぐちゃになっていても、全ては自分が決めること、自分の解釈で、結局は自分自身を映すものなのだと。そういう装置だと。

シンプルですが、腑に落ちる八虎の説明です。

盧生先生が言っていますが、確かに明らかな「罪」というのは存在する気もします。それは社会的というか常識というか、そういう部分ですが、でも常識とかも誰かが決めた絶対的なものではなくて、事実に対して多数に決められたもの、という認識にはなるよなと思います。絶対に、人の解釈は入ってる。心情的にそう解釈出来ない環境の人は間違いなくいるでしょうが、冷酷でも事実はそうだよなと。

そんな八虎の作品を、犬飼先生はべた褒め。初めて見ました、こんな犬飼先生。八虎もちょっと複雑な面持ち。笑

ブルーピリオド 13巻
ブルーピリオド 13巻

最後にノーマークスに顔を出す八虎。キリオと話し、お別れ。と言っても犬飼先生いわく、ノーマークスはキリオがいる限りなくならないと言います。まあ確かに、キリオはそういう人ですね。

八虎とはさよならですが、キリオはどんな場所でも存在感は発揮するんだろうな、と思います。

ブルーピリオド 13巻

そして夏休みに入ります。八雲がとある公募展に作品を出すと言うことで、八虎と世田介は八雲に誘われモモの実家である広島に行くことに。

桃の実家は寺で、小屋がでかいから八雲の制作にはもってこいで毎年行っているそう。鉢呂が運転して、車で。5人で広島に行きます。

途中心霊スポットでのお遊びも入りつつ、桃の実家に到着。

八雲たちは親戚レベルで桃の家族と仲良いです。家を回って夜はどんちゃん。そこで八雲から話が出ます。昔、真田という人が居て八雲たちと一緒に活動していた人だそうですが、殺されたと。

そこで13巻は終わり。ちょっと不穏な感じで終わり。ノーマークス編は八虎も良い経験になりましたし、面白かったです。

次は八雲たちとのお話。殺されたとは物騒な始まりですが、次巻も楽しみ。

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