バトゥーキ / 迫稔雄 1巻 感想

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主人公の女子高生、一里は家庭の事情で部活等打ち込めることがなく、日々もやもやを抱えていました。

ある日、不審なホームレスに出会った一里。その時は驚いて逃げますが、翌日コンビニで買い物をしているとコンビニ強盗に遭遇。

強盗を止めようとするも返り討ちにされそうになったとき、そのホームレスが助けに現れます。ホームレスの鮮やかな動き、独特な雰囲気に飲まれる一里。
強盗を撃退したホームレスの技に、一里は衝撃を受けます。

後日、そのホームレスは公園で子供相手にレッスンをし身銭を稼いでいることを知ります。
お金を払いレッスンを請う一里は「バトゥーキ」「パオゲーム」「ジョーゴ」など全く知らない遊びにどんどん心を動かされていきます。いつしか、日々の楽しみをこの場所に見出すようになりました。

【感想】

「嘘喰い」作者の最新作。

退屈な日常を過ごしている一里の前に突如現れた謎のホームレス。
「バトゥーキ」というタイトルですが、大ざっぱに言えば、テーマは「自由」。
日々レッスンを楽しむ一里の目の輝きようは、今まで家庭内で自由がなかったことの裏返し。

その家庭、どうやら一里の出生には大きな謎があるようで、伏線はちらほらありますが1巻では多くは語られず。
ただし、確実に普通ではない何かがある。
1巻をめくった最初の数ページで一瞬にして引き込まれることは間違いないです。

とにかく絵が細かい。上手かは置いておいて、線が細かくしなやか。表情も豊か。(豊かすぎて怖い)
好き嫌いが間違いなくありますが、慣れればむしろ魅力のある独特さ。

前作が売れただけあって、1巻はかなり緩い滑り出しです。後半で、ある格闘技が話の核になることがわかりますが、ストーリーは正直よく分からず。
1、2巻同時発売とのことなので、最初から2巻を合わせて読む想定なのでしょう。

ただ、1巻だけでも十分、2巻を読ませる熱量はあります。一里が格闘技を教わって強くなっていくスポーツ漫画、では絶対ない。
このホームレスは一体何者なのか、一里と関係のある人物なのか、一里はこれからどういう人生を歩むのか…
格闘技から始まる、不幸で真っ直ぐな女の子の物語です。

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