アオのハコ / 三浦糀 1巻 感想

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バドミントン部所属の中学三年、猪俣大貴はバスケ部で先輩の鹿野千夏に思いを寄せていた。

しかし平凡な大貴に比べ、バスケ部の次期エースでルックスも人柄も良く人気のある千夏は大貴にとって高嶺の花だった。

朝練で一緒になることが多い二人。直接の接点はなかったが、顔合わせを繰り返すうちにお互いを認知し合うようになる。

ある日、千夏の親の海外転勤が決まる。それに伴い千夏も離れるのではないかと不安になった大貴だが、千夏はここに残るのだという。

それは、バスケが好きでまだまだここで結果を出したいと思ったから。そしてそう思えたのは、大貴のあるセリフのおかげだった。

家族だけ海外に移り、千夏だけは知り合いの家に居候することになったのだという。

ある朝大貴が目覚めると、そこには千夏の姿が。親が友人同士であり、千夏の居候先はなんと大貴の家だった。

【感想】

部活を通した恋愛もの。ザ・王道といった感じで、青春が突き抜けています。

バド部の年下男子と、バスケ部の年上女子。1巻では男子、大貴の好意が一方的で、女子、千夏はバスケに神経を注いでいて恋愛には全く触れていません。

ただ大貴も、千夏への好意は嫌みな感じはなく、純粋に尊敬をしているような、ピュアな感じが見て取れて印象は良いです。

何よりスポーツ男子で、恋愛もだけどバドも同じくらい好きだ、と言って部活にも熱心なところも良い。

朝練で顔を合わすのも、千夏に会うため、というのももちろんあるでしょうけど、たぶん会えなくても来てるだろうなというくらい練習熱心で真面目。

正直特徴があまりない平凡なキャラではありますが、嫌いにはならない平均キャラといった感じ。

千夏もスポーツ一直線で、1巻では千夏の心情はほとんど描かれません。ただ、年上らしく大貴よりも一枚上手なところは刺さりますね。

1巻ラストでほぼ初めてという千夏の心の描写は、2巻を期待させる良い引きでした。

幼なじみっぽいキャラもいて、その辺の関係も間違いなく王道を踏襲するように思えます。ちょっと調子の良い女の子の友達、これが良いキャラなのですが、色々ありそうですねえ…。

少し荒れた線と落ち着いた話運びで、さわやか度が高いです。ジャンプよりもどちらかというとマガジン寄りかなと思います。

突然同居する展開はご都合的ではありますが、それ含めて王道ですね。結局そこまでは型があって、問題はその後どう展開していくかという話なわけです。

今作はスポーツが題材で、二人の競技が違うというところもミソになりそう。二人とも練習熱心で、それぞれがそれぞれの競技を高め合うことで、お互いの尊敬だったり好意に繋がっていくというのは綺麗なステップアップの仕方だなあと思います。逆に青春度が強すぎて眩しいくらい。

爽やかな恋愛ものが好きな方にはおすすめです。

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