あの人の胃には僕が足りない / チョモラン 1巻 感想

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中等部の男の子、舟次(ふなつぎ)は毎朝学校で出会う先輩、満腹(みつはら)のことが好き。

そんな舟次には他人に隠していることがあった。それは、化け物の姿が見えるということ。
子供の頃に小さい化け物を見たことをきっかけに、徐々に出会う頻度が増えていき最近は不気味さも増していた。

ある日巨大な化け物が舟次の前に現れる。無視を続ければ消えるため、舟次は毎回耐えていた。
下校途中、満腹と出会うが、そこへ例の化け物が現れる。動揺する舟次に対して、満腹は「すごい」と頷く。

この化け物を探していたという満腹。不思議に思う舟次の横で、満腹は自身の姿を変え、その化け物を飲み込んだのだった…。

【感想】

どこまでが重大なネタバレになってしまうか分からないのですが…。

主人公は料理が得意で、料理で彼女の胃袋をつかむのかと思いきや、主人公そのものがおいしい匂いを放っているというまさかの設定。

化け物を飲み込んだ満腹もいわゆるその「化け物」の一種。ここでは「ワタリ」と呼ばれていて、そのワタリ退治を絡めたラブコメです。

主人公の舟次はワタリを引き寄せる性質があるということで、引き寄せる舟次と退治する満腹というタッグ的な構図。
舟次は今のところ化け物に対して為す術がないのですが、行動力はあって機転も利くので天然な満腹と良いコンビになりそう。

満腹もワタリなので舟次には惹かれるものがあり、最終話ではその点から話が動きます。

満腹のように人間として生きるワタリもいれば、人間からは認知されず人知れず害をなすワタリもいる。細かくは語られてませんが、悪いワタリを管理する組織があるようで満腹もその一人…なのでしょうか。
満腹は舟次を守るために近付いたようですが、詳細は不明。この辺りはまだまだ深く設定がありそうで1巻では正直全然分かりません。

ただ、この辺を蔑ろにしていいかというと、それはもったいないかなと思うくらい化け物退治とラブコメのバランスは取れた1巻でした。