あらくれお嬢様はもんもんしている / 木下由一 1巻 感想

↑試し読みできます。(画像クリック)

女子高生の口無椿(くちなしつばき)。女子からは慕われているが、その豊満な体つきから男に言い寄られることも多く、理事長の娘の権限で近付いてくる男は全員退学にまで追い込んでいた。

高慢で高飛車なその性格から、風紀委員である起立匡史(きりつただし)には目を付けられていた。

口うるさい起立に対して、どうにか退学にさせてやろうと色仕掛けを行う椿だが、起立は頑なにそれを拒む。
椿の意図を起立は理解しており、その手には乗るまいと豪語する。椿は益々、起立を陥れようと躍起になるが、色仕掛けをしていくうちに徐々に自分の方が興奮してきてしまう。

いつしか、起立に対して特別な思いが芽生え始めてきた椿。しかし起立はそんな椿の思いなど知らず、相変わらず自分を陥れようとする椿に対して嫌悪感を露わにしているのであった。

【感想】

色仕掛けをしていくうちに性欲に目覚め、恋心まで発展するも相手からは超絶嫌われてしまっている…という片思いラブコメ。

初めはエロが強く、ヤンマガレーベルなのでああそういう作品かなと思っていましたが、後半に入ったところで椿のキャラを上手く使ったラブコメお手本のような展開を見せ、まんまとやられました。面白いです。

椿のキャラはよくある強気でやり過ぎてしまうお嬢様タイプですが、そのプロポーションを活かして色仕掛けをしまくるという何ともなエロ展開。しかしそれに全く動じないのが起立。この起立のキャラが1巻通じてほとんどブレていないのが素晴らしいです。

 

あらくれお嬢様はもんもんしている 1巻

 

あらくれお嬢様はもんもんしている 1巻

そんな起立に惹かれ始める…というより最初は性欲に目覚めると言った方が正しいかな…。
その体つきを性的な目で見られていた過去から、性そのものに嫌悪感が拭えない性格になってしまった椿。なのに何でこんなにもんもんしてしまうのか…という葛藤と戦うという部分がこの作品の肝で、読者的にも悶々するところでは。ちょっとしたフェチですね、これは。

その性欲が派生して恋心に。はっきりと好意に変わった描写はありませんが、後半エピソードはもうラブコメのそれです。かわいいし、切ないです。

ただのエロコメディと思いきや意外と純情ラブコメにも近い体裁で終わったので、読み始めと読み終わりのギャップが妙で不思議な感覚。エロ強めなのでそこさえ許容できれば、かわいいラブコメ好きな方にはおすすめ出来ます。

 

試し読み、購入はこちらをクリック!