ゆうべはお楽しみでしたね / 金田一蓮十郎 8巻 感想 【ネタバレあり】

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妊娠がわかったみやこ。産まれてくる子供に対してネガティブな思考しか出てこないさつきに対して、優しく励ますみやこが素晴らしくて、さつきを肯定するみやこの図がとても微笑ましい。

俺に似たらどうしようって不安になるさつきに、「パウさんが好きだからパウさんにも似て欲しい」と言い切れるみやこの素晴らしさよ…。

ゆうべはお楽しみでしたね 8巻


二人きりのうちにしておきたいこと、ということで聖地、淡路島へ遊びに行ったり、ネイルが出来なかったり、髪を黒に戻してショートにしたり…生活にも変化が出てきます。

妊婦として街に出ていて、意外と優しくされるという体験を話すみやこのシーンは、格言的というか、みんなわかっていることだけど、改めてこうして漫画にしてくれるのは良いなあ。

SNSやネトゲーも引き合いに、マイナスな面ばかりが誇張されていることに言及して、そういった情報も重要だけどそこに限定すると意見が偏ってしまうよという警鐘。

ゆうべはお楽しみでしたね 8巻
ゆうべはお楽しみでしたね 8巻


マイナスな声もプラスな声も重要なわけで、どちらも受け入れて自分で吸収する必要があるわけです。

みやこの言葉を引用しますが、

「どんな立場だろうとどこだろうとヤバいやつは一定数はいて、そういうのとは時と場所を選べずエンカウントする時はするんだから、それなりに気を付けようねって話よ」

というセリフがまさにその通り。みんなわかっているようで、流されてしまう世の中なので、バランスとって上手く生きていきたいものです。

ゆうべはお楽しみでしたね 8巻
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そこから、二人の出会いは奇跡だ!という話に持って行くのもまた上手というか…幸せそうで何よりです。


性別は男の子で確定。お腹も大きくなってきていよいよ破水もして病院へ。気が気じゃないさつきと完全に参っているみやこ。…そしてついに産まれます。

育児が始まり、大変な二人。お母さんも手伝いにきてくれてきますが、それでいっぱいいっぱいという状況。
僕はまだ子供はいませんが、周りが出産ラッシュな中で育児の大変さはよく聞きます。

この二人はその中でも、助け合ってコミュニケーションも取り合って、お互いを尊重し合って育児に取り組めている。理想的な関係で、お手本になるなあと関心してます。

ゆうべはお楽しみでしたね 8巻
ゆうべはお楽しみでしたね 8巻
ゆうべはお楽しみでしたね 8巻


オンラインゲームを通じて出会って、同棲して結婚して出産して…特に起伏があるわけでもない、普通のとある二人の人生をただなぞっていくだけの物語がなんでこんなに尊いのだろうかと。

終着がどこになるのかまだわかりませんが、最後まで見届けたいです。