ゆうべはお楽しみでしたね / 金田一蓮十郎 7巻 感想 【ネタバレあり】

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二人の子供。いつかは考えなくてはならない話も、たくみにとっては大きなプレッシャー。こんな自分でいいのだろうかと塞ぎ込んでしまうが、しっかり前を向いているみやこを見て、ゆっくりでも頑張ろうと思うたくみだった。

婚姻届を提出し、晴れて夫婦となった二人。遠距離ながらもドラクエは二人を繋ぎ、互いの好意を行き交わせる。
ある日いつものように電話中、みやこから衝撃の一言が。なんと、子供が出来たかもしれないという。

みやこは大阪に引っ越し、二人の新居を構えた。新しい土地で、新しい職場で、妊婦として、大変な毎日を送っている。心身共に疲弊し心が挫けそうになるが、未来を思うたくみの幸せそうな姿を見てまだまだ頑張れる、と元気を出すみやこだった。

【感想】

ついに結婚。そして子供まで。人生の階段をどんどん上っていくたくみです。
みやことあやのの会話は、世のカップル全員参考になるのでは。

タイプの違う人達はそれぞれのグループが自分の世界なので、いやいや世の中はもっと広いですよと、いろんな信じられない人間がいっぱいいますよと。なのでよく「そんな人いない」っていう意見を聞く度に閉ざされてるなあ…と思ってしまうわけですが…。

あやのみたいなタイプは、たくみのような男だと物足りなくなってしまうので、タイプ優先にすると結局自分のグループから選ぶことになって、悪循環。
結婚を目的にする前に、そもそも自分のタイプは結婚に向いている人が少ないことを自覚して、それでも結婚をゴールにするのか恋愛を楽しむのか、分けて考える必要があると思います。

良縁はたまたまで、愛は自然に育って行くものです。もちろん、縁は自分が行動することで確率は上がりますが、良い人に出会えるかどうかはたまたま。ただ少なくとも言えるのは、自分のタイプと良縁は必ずしも一致しないので、そこで頭でっかちにならないことが良い出会いのコツかなあとは思っています。

たくみとみやこはドラクエというアイテムをきっかけに、別のグループ同士が出会えたという奇跡です。そしてルームシェアで自然な流れでお互いを分かり合えたのも大きい。(これに対して男女同じ屋根の下で何も起きないわけがないという意見があれば、上記の「閉ざされてる人」に当たります)

漫画ですが、リアルでもないことはない。でも、漫画だよなあという微妙なバランス感がとても好き。

しかし、描写は全くありませんでしたが子供とは、さすが1巻ずつ話を大幅に動かす今作らしいですね。まあ、ある意味何もしてなかったらそれはそれでおかしな話ですが。二人の人生を辿る物語ですので当然行き着く先。とりあえず安心しました。

後半のみやこが引っ越してからの話。疲れ果てたみやこが、たくみの純粋な未来展望を聞いて元気を出すシーン。このシーンは良いですね。
みやこは出来る人なのでこれまで弱いところがあまり見られませんでしたが、やっぱりみやこは自分がしっかりしなきゃと思ってたんだなと。気負ってたんだとわかって、いや…人として素晴らしすぎるなと感心してしまいました…。たくみを見てうるっとするところとか、良い子すぎる…。

たくみも性格的にこんなんですが、だからこそ変に意地は張らずに自分が出来ることは率先して手伝ったりしていますし、何より二人ともが尊敬し合っているのがいい関係。こうなれば、多少意見が食い違ったり喧嘩したりしても、すぐ仲直りが出来ます。ベスト夫婦。

これから結婚生活、出産、どう話を進めてどこで区切るのか分かりませんが、幸せなまま余計なことは入れずにピリオドを打って欲しいです。まあ…あまり心配してませんが、金田一先生よろしくお願いします。