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キーフリーの教え子、リチェは自分の描きたいものだけを描きたいという強い思いを持っていた。本も勉強も試験も、やればやるだけ描きたくない魔法を描かされる。そんな周りに嫌気が差していた。
第二の試練が始まる。
アガットは一発合格を目指し意気込み、同じ受験者の男の子、ユイニィは師匠から落ちこぼれと言われながらも三度目のチャレンジで合格を目指す。
そして、知らされていなかったリチェも渋々試練に臨むことに。
試験監督はアライラという女性。試験は洞窟の入り口から出口まで、グリフォンを無事送り届けるという内容。
三人は同時に試練を開始した。
特殊な洞窟の道に苦戦する三人。経験者であるユイニィは最適な攻略法を用意し挑むが、攻略法に正解はないというリチェはユイニィを置いて先へ進む。
昔から大人にやり方を強制されてきたリチェにとって、正解を強制されるのが何より嫌だった。自分の好きなように描き、自分で正解を見つけることが、リチェにとっての魔法。
アガットとリチェは自分の魔法を駆使し奥へ。しかし、ユイニィは自分の魔法に自身が持てず、緊張して魔法が上手く描けない。そんな姿を見たリチェはユイニィを説得。前向きになれたユイニィは自分が使える魔法のあり方を見つけ大きな一歩を踏み出す。
そこへ突然つばあり帽が現れアライラを襲う。アライラは姿を消し、つばあり帽は更に三人を襲う。逃げる三人だがユイニィが捕まり、鱗狼の姿にされてしまう。
アガットはユイニィを追い、リチェはゴールへ向かい助けを呼びにいくことに。
一方、キーフリー達の元にアライラからのヘルプの知らせが届く。ココとテティアが心配する中、突如ゴーレムに襲われ三人は地下へ落とされ、ココとテティアをかばったキーフリーは負傷してしまう。
地下には過去の言い伝えにあった、生きたまま金細工に変えられたかつての人間たちがいた。キーフリーは弟子達を守るために負傷した体で前を向く。
【感想】
試練が始まりました。やる気満々のアガットとやる気なさすぎなリチェ。そして自分に自身のない気弱な男の子ユイニィ。この三人がメインとなる4巻。
特に、リチェですね。昔から大人にあれこれ言われすぎて嫌になってしまったという。性格がこじれてしまって、生意気わがまま娘のようになってしまっています。まあまだ子供と言える年齢なので、これからいろいろ知っていくのでしょうけど。
ただリチェのやり方が肯定的に思える雰囲気もあり、これはキーフリーがばしっと決めて欲しいなという気持ちもあります。
リチェの気持ちも尊重したいですが、それだけではいつか立ちゆかなくなるはず。現にアガットに図星を付かれるシーンがあり、為す術ないリチェの表情は何ともいえないものでした。
キーフリーが、先生としてはとても安心できる思慮深い性格なので、リチェのようなキャラクターがいてもあまり不安にならない、というのはあります。いつまでも、優しいキーフリー先生で居ていて欲しいです。
物語としてはココが主軸だったはずが影が薄くなってしまっています。逆にキャラクターの掘り下げが出来て良いのですが、本筋はこの巻ではほぼ進まず。
つばあり帽が出てきたことによって強制的に動いてきましたので、次巻からはまたストーリーに注目。そして、ユイニィの結末も気になるところです。