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魔警団に捕らわれたココとアガットだが、間一髪のところでキーフリー達が助けに現れる。
秩序を乱す者を排除しようとする魔警団のイースヒース、対して、事情も聞かずに突然記憶を奪うのはおかしいと唱えるキーフリー。二人は対立するが、ひとまず人命救助が最優先。
落ち着いたところでココを調べるが、禁止魔法を使った証拠は見つからず、魔警団はこの場を去ることに。
キーフリー達もこの場を離れるが、ココの持ち物である魔墨を不審に思ったキーフリーはカルンで調べることに。
その魔墨を使い魔法を試すとあまりの威力に驚く。この魔墨に仮面の魔法使いとの繋がりがあることを確信したキーフリーは、手伝ってくれた魔材屋の店主ノルノアの記憶を消し、他人に知られないよう自身の目的を果たすことにした。
魔材屋で働く少年タータは、負傷したココを治療するため中に招き入れる。ココは棚に並ぶ染料に目を奪われるが、そこでタータが銀彩症であることを知る。
銀彩症とは生まれつき世界が銀色にしか見えない視覚の病気で、視力を尊ぶ魔法使いに取ってそれは致命的。魔法使いに憧れていたタータだが、それは叶わぬ夢だった。
ココ達四人は魔法の練習に明け暮れる。
魔法使いには五つの試験があり、受かるごとに出来る仕事、許されることの範囲が広がっていく。ココの目的である図書の塔に挑むには、三つ目の試験合格が条件だった。
魔墨を手に入れたキーフリーは、仮面の魔法使い達の居場所を探るために魔墨の中にあるメダルを取り出す。しかし瓶にかかっていた罠にかかってしまったキーフリーはあえなく失敗し、現れた仮面の魔法使いに瓶を壊されてしまう。
ココは自分の犯した過ちに毎夜うなされていた。それが原因で寝不足になり、結果高熱で倒れて引いてしまう。
キーフリーに連れられカルンの医者で看てもらうことになったココ。診察の結果、ただの風邪だったため、一安心のキーフリー。しかし近くで起きた火事の消化に無理矢理連れ出されたキーフリーはココのもとを離れる。
夜、タータが自身の忘れ物を取りにココの居る部屋へ訪れる。苦しそうなココに薬を与えようとするも銀彩症のせいで薬の種類が分からない。自らの病気を呪うタータだが、ココの魔法の力を借り薬を見つけだすことに成功する。
ココは、自分で使った魔法をヒントに、母親を助け出す可能性を見つける。魔法を描く際の魔法陣の矢。これを反転させて描けば、魔法の効果も反転するということに気付いた。母親を石にした魔法も、矢を反転させれば元に戻るかもしれない。あとは、その魔法陣を探し出すだけ…。
希望を見いだすココを後目に、仮面の魔法使いは刺客を用意する。試験に臨むココに、更なる魔の手が忍び寄る。
【感想】
魔警団とは大きな争いにはならず事は収まりました。しかし証拠がないだけでココは要注意人物として魔警団から目を付けられています。そういった対象になるのは当然と言えば当然で、どちらかというとキーフリーの方が危険人物のような雰囲気すら出てきました。
キーフリーの目的はまだはっきりしていないですが、何かを奪われたらしく、やはり仮面の魔法使いに関係があるらしいですね。
優しく、弟子四人の主張も受け入れながらバランス良く監督役に徹しているキーフリー。本気で彼女たちのことを思っていることは分かるので、彼女たちを不幸に陥れることはないだろうという安心感はあります。ただ同時に、自分の目的のためには禁忌も犯す程の行動力があるので、自身にも周にりもいつか取り返しの付かないことが起こるのではないかという不安もありますね。
この巻はタータがよく出ていました。銀彩症(ぎんだみしょう)の少年。ココに薬をあてがう際の、ココの魔法を使って薬を探すシーンは少し心に来ました。理不尽な理由で夢破れるというのはよくあるお話ですが、タータのあの笑顔は良いですねえ。目がキラキラしてます。ぱっと見女の子にも見えましたが…笑
そして母親を助けるためのステップ。試験と母親を助けるための方法。ここからはココが魔法使いとして試験に挑みつつ、仮面の魔法使いの思惑がそれを邪魔する展開。
キーフリーの過去も絡ませつつということで、4巻も期待できそうです。