正反対な君と僕 / 阿賀沢紅茶 1巻 感想

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明るく元気な女子高生、鈴木。隣の物静かなクラスメイト、谷に絡んではそっけなくあしらわれる毎日。周りの友達からはウザ絡みやめなよと諭されているが、実は鈴木は谷のことが好きだった。

周りの目を気にして気を遣いながら自分を作っている鈴木にとって、自分の意見を持っていて無理に人に合わせたりしない谷に対して憧れを抱いていた。

そんな谷と偶然帰りが一緒になった。緊張でドギマギする鈴木の手が一瞬谷に触れたとき、谷は握り替えしてくれたのだった。

■感想

タイトル通り性格が正反対な二人のラブコメ。このタイトルは谷くん目線になるのかな。ただし主人公は鈴木さん。本来なら「正反対なあなたと私」になりそうですが。

ここから1話のネタバレは含みます。

鈴木さんがずっと抱いていた、性格が真逆な谷くんに対する憧れ。接したいけどどう接すればいいのか分からず変な絡み方しかできない。

正反対な君と僕 1巻

そうやって変な絡み方をされていた谷くんは、自分のことなんて何とも思われていないと思っていましたが、たまたま帰りが一緒になったときの鈴木さんの反応を見てあれこれは…?と…。

正反対な君と僕 1巻

そこからの展開は結構好きです。周りの目を気にしてばかりだった鈴木さんがみんながいる前で片思いを告白し、そのまま谷くんへ思いを伝える。

この時のクラスメイトの反応も良いですね。変に茶化さないで後押しする感じが素晴らしい。やっぱり人間、素直な思いというのが一番パワーがあるというか、応援したくなる気持ちが生まれるというか。特に鈴木さんに関しては普段が普段なので余計に。

正反対な君と僕 1巻

告白のシーンも良い。セリフが手書きなのが良いですね。この作者、書き文字が独特で雰囲気があり、かなり好みです。とよ田みのるさんを思い出すような、ただの擬音やキャラの独り言ではなく作品全体をイメージ付ける程の印象があります。

正反対な君と僕 1巻

ちなみに絵もかなり良い。線がはっきりしていて読みやすい。デフォルメが良く出てきますが、使い所が上手くわざとらしくなくて可愛らしい。見せ場のキャラの表情なども心情を良く表せていて、感情移入できます。
表紙の絵を見る限り絵はあんまりかなと思ってしまいましたが、全然そんなことなかったです。

2話目以降は谷くんの内面も少し知れて、それも微笑ましい。「正反対」と言いつつ、お互いコンプレックスがあって実は中身はそんなに真逆でもないわけです。

気にしいで素直に自分の気持ちを表せないけれど、相手のことを本気で思ってる二人。尊さがマックスで、ラブコメとしてはかなり完成されている風に思います。

周りにもクセの強い印象的なキャラが何人かいて、話はもっと膨らませられそう。2巻以降も期待できます。おすすめです。

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