乙女怪獣キャラメリゼ / 蒼木スピカ 1巻 感想

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女子高生の赤石黒絵は感情が高ぶったときに体の一部が異形の姿に変化してしまうという奇病に悩まされていた。

極力人と変わらず、自分を見せずひっそりと暮らしてきた黒絵。しかし、隣の席になったクラス1のイケメン、南新汰と偶然接触する機会があり、南の人間性に心を動かされてしまう。

南はミーハーな女子たちに囲まれることに疲れてしまっていて、他の女子とは違う黒絵の雰囲気に少し惹かれていた。

南は黒絵を食事へ誘った。自分の悩みを打ち明け、それを受け止める黒絵。二人はお互い少しだけ惹かれ合い始めていた。

しかし黒絵は自分の体長の変化に気付いていた。いつも体の一部が変化する時よりも、更に激しく熱い。

あまりにおかしいためその場を立ち去る黒絵。そして抑えきれなかった感情の高ぶりは、黒絵を大怪獣へと変化させてしまったのだった。

■感想

感情に呼応して体の一部が変化してしまう女の子とイケメン男子とのラブコメ。

恋愛に障害(制限)がつくパターンはありがちな設定ですが、怪獣になってしまうというのは中々ぶっ飛んでますね。掴みは最高です。

怪獣になってしまう、と言ってもノリは割と軽いです。あくまでラブコメの設定という感じ。どうにも転がせそうな設定ですが、今作は少女漫画に近いドタバタラブコメ。

特にお相手の南くんはまさに少女漫画キャラで、どちらかというと、りぼんやなかよし系の少し年齢層の低いところにいそうなコテコテの好青年イケメン。

黒絵のモノローグも多めで、トーンの使い方等もかなり少女漫画チックなので、少女漫画に慣れていないと少し違和感というか異物感というか、感じてしまうかもしれません。

ちなみにアライブ連載ですが、著者は元々少女漫画家だそうで、納得。あとがきにありますが、変にアライブを意識せず自分を出した結果がこうなったようですね。

でもアライブでやってるからこその味がありますね。少女漫画雑誌でやってたら埋もれそうな気がします。男性読者を意識しつつ、「少女漫画」と「ラブコメ」の境でうまくバランスを取っている印象。ちょっと、少女漫画の方が強い気もしますが…。

掲載誌とジャンルの異物感が良い具合にマッチした印象です。ノリが軽いのが個人的には惜しいのですが…怪獣化の設定を活かしたこの漫画にしか出来ない少女漫画を期待です。