押して駄目なら押してみろ! / 廣瀬アユム 1巻 感想

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異性から告白やラブレターが日常茶飯事、しかし全てをお断りし高嶺の花と噂される女子高生、財部つくし。

彼女は実は、人間は恋愛対象外。子供の頃に見た蛇に心を奪われ、以降蛇に対してしか心を動かされなくなってしまった。

しかし、新しく来た現国の先生、加賀美肇に一目で心を奪われてしまう。人間は恋愛対象外…そう思っていたつくしは初めてのことに戸惑いながらも、確実に加賀美のことを好きになっていた。

ある日その思いを加賀美に直接ぶつけるつくし。焦る加賀美は明らかに様子がおかしい。すると、加賀美の体から蛇のような尻尾が突如飛び出す。加賀美は、神話などにも登場する「人喰い大蛇」と呼ばれる生き物だった。

【感想】

人外と女子高生のラブコメ。先生×生徒のジャンルでもありますね。

蛇の擬人化、しかも人喰い大蛇ということですが、主人公のつくしは大の蛇好き。臆するどころか、初めての「恋愛対象」なわけで、つくしにとっては最高の出会いということに。

加賀美が大蛇でありながら人間の姿で先生をしている理由など、1巻では全く語られませんが、今後語られるかどうかも不明。若干伏線のような匂わせもありましたが、深く考えなくても良いかもしれません。

加賀美は蛇であることを隠していましたが、「人を食べたい」という本能は未だに残っているようで、あまり人間に近付かれると食べたくなってしまい困ると言います。

しかしつくしは近付きたい。ただし近付くと加賀美は尻尾が出てしまう。尻尾をしまうためには、つくしを食べるか舐めるしかない…食べるわけにはいかないので、ということでそういうシーンも少しあり。

タイトルはつくし側からのものですね。蛇に対しては滅茶苦茶押しの強いつくしが、ちょっと冴えない加賀美に対してガンガンいきます。

これが少し変態チックでありながら、純粋に好きな気持ちが溢れ出してもいて可愛らしい。

加賀美としては生徒であり、そもそも人間であるつくしに手を出すわけにもいかず、でも蛇とバレるわけにもいかず、食べてしまうよりは舐めて落ち着かせなければ、というもうどうにも後に引けない状況下なので、つくしの思うがままになってしまうという。この逃げられない構図は中々。

絵も読みやすくてかわいらしく、大蛇の迫力もあり十分。
先生×生徒でありながら、生徒の女の子側が主導権を握っているというのも面白いですね。1巻ラストはベタな引きですが、何だかんだ続きも気になります。

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