虫かぶり姫 / 原作:由唯、漫画:喜久田ゆい、キャラクター原案:椎名咲月 1巻 感想

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本が好きな伯爵令嬢のエリアーナ。本の虫ならぬ、虫かぶり姫とあだ名されるエリアーナだったが、四年前のある日、王国の殿下クリストファーに婚約を申し出られる。

断れるわけもなく、王宮書庫へ出入りできることもあって婚約を受け入れたエリアーナ。しかし婚約期間のメリットのために行ったクリストファーとの婚約。時間が経てどもなかなか成婚には至らなかった。

ある日、エリアーナは伯爵令嬢のアイリーンと出会う。人との交流が達者なアイリーン。ある時、クリストファーとアイリーンが二人で会っているところを目撃してしまう。

ついにクリストファーが本当に愛する人と出会えたのだと悟ったエリアーナは、婚約解消の覚悟を決める。しかし、クリストファーの行動にはとある事情が隠されていたのだった。

【感想】

本好きな令嬢エリアーナと王国太子クリストファーとの貴族恋愛もの。

スタートは既に婚約話から四年後。バタバタとエリアーナの身辺でイベントが起こり、1話で一気に登場人物が出てくるため少し分かりづらい部分も。

基本的にエリアーナ視点の語り口で話が進みます。
少しぼーっとしたかわいらしいキャラのエリアーナ。ゆるふわ系というか。落ち着いていて取り乱すところもなく、感情の起伏もあまり無いタイプ。

だからこそ物事を冷静に判断しがちで、アイリーンという女性キャラが出てきてからは自分の立ち位置を考えることも多くなり、謙虚な性格も相まって身を引こうとしてしまいます。

そんな中王宮の周りの人たちは何やらバタバタしていて様子がちょっと変。クリストファーの行動もよくわからず、何だろうと思いきや実は…といった流れで1巻は割とすんなり収まります。

1話、2話の展開はかなり分かりづらかったのですが、少しずつ慣れてきましたね。そういう物語の作りになってました。これは1巻最後まで読まないと成り立たないのではと思います。

恋愛感情のない謂わばその場凌ぎのための偽の婚約をした二人でしたが、エリアーナはもう自分の恋心に気付いてしまい…クリストファーの真意はこれからでしょうが、1巻全体の振る舞い的にはもうクリストファーもエリアーナを想ってはいるようです。成婚に至るまでの障害が何かあるのか、わかりませんがあまり心配はなさそう。

良くも悪くもゼロサム的と言いますか、少女漫画寄りのコマ割り。画面がかなりごちゃついていて、キャラが入れ替わり立ち替わりでセリフやモノローグも多めなので、慣れないとやはり読みづらい。絵は綺麗なので良く言えば画面に華はあります。

ただエリアーナのかわいさや、クリストファーの適当そうに見えてやる時はやる格好良さが今作の一番の魅力で、この二人が偽の婚約から一転、結ばれるまでのストーリーにどういった過程があるのかというのは面白そうではあります。

あくまで王宮ラブコメというジャンルで楽しめるかどうかというところですが、似たような作品が数多にある中で今作が人気なのは、やはりキャラの魅力が大きいのかなと思います。

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