ミステリと言う勿れ / 田村由美 2巻 感想 【ネタバレあり】

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とある事件の捜査本部。生き埋めによる殺人事件で4人目の被害者が出た。捜査に関わる青砥はバスが怪しいと睨んでいる。

整が乗るバス。バスジャック犯に連れられ辿り着いたのは犬童家の屋敷。乗客たちはみな屋敷に招かれた。

犬童ガロから乗客に、一人ずつ質問がなされる。トロッコ問題、自分が犯した最も重い罪…答える乗客の性格や癖が少しずつ明らかになると同時に、整は変わらずマイペースに自分の意見を述べていく。

休憩時間が設けられ、整は別部屋の電話で池本に電話をし助けを呼ぶ。そこで、生き埋め連続殺人事件の話を聞いた整。どうやら、その事件の被害者の一人は犬童と言うらしい。

間もなく警察が到着。真相を見破った整は、乗客の一人である翔が本物の犬童ガロだと見抜く。生き埋め事件の被害者はガロの姉だったことが判明、そしてその犯人は今この屋敷にいる。今回のバスジャックは犬童家による復習劇だった。

入り口にあるガロの姉の写真にバスの乗客全員が反応していた。各人少しずつ関わりはあったが、殺すまでには至っていない。整が目を付けたのは、バスの運転手だった。片付けたいものを隠す癖のある運転手。ある日、バスの運行が終わり車庫に向かう途中、ガロの姉が座席で死んでいることに気付き、バツの悪かった運転手は土の中へ隠した。

そこから人を埋めることに快感を得た運転手は連続殺人を犯す。悪びることなく白状する運転手は、警察へと連行された。

後日、整の家へガロから届け物が。中には人の右腕が。青砥によると、ガロは運転手を殺害し雲隠れしたらしく、その右腕は運転手のものだろうと予測された。
せっかく友達になれたのにと、残念がる整はガロとの再会を夢に見る。

見に行けなかった展覧会を見に行くために広島へ向かう整。ガロから広島で行われることを聞いてのことだった。

新幹線内で隣の席だった女性が読んでいた手紙に興味を持ち、そこに描かれた暗号を解く整。その暗号は、その女性を目的地へ行かせないよう書かれたためのものだった。

女性は生みの親に会いに京都へ向かう途中。手紙は生みの父親から。しかしその暗号はどうやら生みの母親が書いたもので、育ての親と暗号でやりとりをしていたのだった。

育ての親は同じ車内に乗っており、暗号のこと、生みの両親のことを女性に話す。暗号に込められた本当の意味は伏せたまま…。

広島で展覧会を観終えた整が出会ったのは一人の少女。彼女は祖父の遺産相続のため、整に仮の伴侶の役をお願いする。これはガロからの推薦だった。

狩集家の遺言書の開示。祖父の子は既に他界しており、孫である四人に相続権を争わせる内容の書だった。過去に死人も出たことがあるという狩集家の相続争い。四人は祖父に言われるがまま、それぞれ決められた蔵の謎を解くことになった。

【感想】

1巻に劣らず面白いです。
関係ないですが、上記のあらすじ長すぎて…この内容を三分の一くらいにまとめられないと…文章書く力のなさよ…。ある意味鍛錬のブログでもあります。

前半はバスジャック話の後編。淡々と会話がされながら気付いたら事件が解決しているという、謎解きものとして少し不思議な運びでした。しかしヒントは各所に隠されていて、勘のいい人ならもしかしたら気付くかもしれません。
それくらいのバランス、タイトルの「ミステリと言う勿れ」とは作者の自虐のようで、なるほど、言い得て妙な気はします…。笑

 

ミステリと言う勿れ 2巻
ミステリと言う勿れ 2巻

バスジャックの話も、新幹線の女性の話も、スケールはあまり大きくなく風呂敷も全く広げず、狭い中で整が少しずつ読者にヒントをくれる上質な推理もの。でも最後の最後で絶対に捻ってくる辺り、流石です。

整の考え方は推理とは関係ないところで感心するシーンも多々あり、これは1巻同様。ある意味、このネタが楽しみでもあります。
1巻よりもその、「この問題についてどう思いますか?」的なネタが少し露骨な気もしましたが、むしろ物語に関係なくてもネタ自体がツボ。ハマりそう。

 

ミステリと言う勿れ 2巻
ミステリと言う勿れ 2巻

後半は相続争いに巻き込まれる整の話。どうやらかなり物騒な雰囲気が満載で、ミステリー感を出してきてますねえ。流されるままの整が自発的に問題解決に挑むというのも、面白そうです。

 

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