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工藤が入社したての頃、鯨井は先輩として工藤の教育に当たっていた。お店を紹介し、裏道を回り、建物の屋上でたばこをふかす鯨井。その姿は、鯨井であり、鯨井ではない。この記憶は果たして誰のものなのか。
工藤とのツーショット写真を見つけた鯨井。撮った記憶のない自分が写った写真を見て困惑し、悩む鯨井。楊明に相談するが糸口は見つからず、自分の存在意義を見失いかける。
ある日工藤と裏道を歩いていると、美容クリニックの無料健康診断のチラシが目に入る。興味を持った鯨井は申し込み、楊明と共にカウンセリングの予約も行った。カウンセリング当日、出会ったのは代表の蛇沼。異常な雰囲気で舐め回すように近づく蛇沼に恐れをなした鯨井はその場から避難。しかし後日、会社に客として現れた蛇沼は、鯨井を見つめ、挙げ句にはキスをしてしまう。
見るに耐えない工藤は蛇沼に対し敵対心を燃やすが、鯨井は蛇沼に何かを感じていた。
【感想】
工藤と鯨井のラブロマンス2巻。冒頭では鯨井と工藤の関係性が逆になっているエピソードが描かれ、これが今作の大きな謎のよう。
鯨井は記憶喪失なのか、はたまた別人なのか(それはなさそうですが…)、SF混じりの本作なので、ファンタジックな展開になっても多少の覚悟はしていますので、この伏線がどう回収されるのかは楽しみではあります。
初めは工藤に振り回される鯨井、という構図でしたが、冒頭にこのエピソードがあったせいか工藤の心理面もかなり気になってきています。間違いなく昔の(別の?)鯨井を工藤は知っていて、特別な気持ちを抱いていたのは間違いないので、何故今このような状況なのか、そんな中で普通に振る舞う工藤を見ていると少し胸が締め付けられる時もあります。1巻では完全鯨井視点だったものが、2巻では工藤にもスポットを当ててくれているので飽きずに読めました。
また、2巻で初登場の蛇沼。何だこいつはという強烈なキャラ。人としてまずい雰囲気満載ですが、そもそも普通の人かどうかすら怪しい。蛇沼が二人にどういう影響を与えるのか、鯨井の過去には関係あるのか、こんなヤバい登場の仕方をしたからには何か動かしてくれないと納得いきませんが、果たして。
ラブロマンスを描きつつ、SFチックな展開も期待させます。九龍が舞台というのがやはり効きますね。雰囲気が独特でこれ以上ないというくらい。2巻も面白いです。
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