君のことが大大大大大好きな100人の彼女 / 原作:中村力斗、作画:野澤ゆき子 1巻 感想

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主人公の恋太郎は中学三年の卒業式、好きな子に告白するもフられ、これが100回目の失恋となる。高校こそは彼女をと願い神社にお参りをするとそこに神様が。
その神によると、恋太郎は高校で100人の運命の人に会うことになるという。

そして、高校入学早々、二人の女の子から告白をされ嬉しさと同時にどちらを選べばいいか迷ってしまう。

再度飛び込んだ神社で神から衝撃の事実が。神の手違いで、通常一人のはずの運命の人を100人設定してしまい、運命の人を幸せに出来ないとその人は不幸になり死んでしまうという。

恋太郎はこれから出会う100人の運命の人を幸せに出来るのか、見殺しにしてしまうのか。最高100股もあり得る、とんでもハーレムラブコメ。

【感想】

無茶苦茶な作りのラブコメで、本当ハーレム設定が、新たな作品が出るごとにアイデアの波がすごいですね。

少し前に書いた「終末のハーレム」も、同じヤンジャンなら「源君物語」などもそうですが、ただ「女の子にモテる男」だけではもう話として成り立たない時代で、
女の子にモテる理由を強制的に用意しなければならないのかと錯覚させられてしまいます。
でもそれによって真新しさがあり面白くなっているのは事実なのですが。

終始テンションの高いギャグとツッコミが続くので少し疲れてしまいますが、女の子の狂ったような恋の仕方はかわいい、かわいい…?

主人公が良くも悪くもいいヤツなので、こういう純粋なキャラだからこそある意味倫理を崩壊させるパワーがあるのですね。純粋さって見方を変えれば狂ってるとも言えるので。

ただ、複数の人と同時に付き合うということがフィクションになってしまうのはいかがなものかとも思います。男も女もオッケーなら周りがとやかく言うことはないですし。それでも自分が信じられないことには蓋をしたがるのが「倫理観のある」人たちだよなと、皮肉っぽく思ってしまうこともあります、、、。

最初に出会った二人、ぶりっこ変人の羽香里とツンデレの唐音。この二人がかわいい顔してコントを繰り出しまくり主人公がツッコむパターンがお決まり。
そして最後にもう一人、図書委員キャラの静が出てきますが、静の付き合う流れはどうなのかなあと。同情と愛情は同列では語れないのではと思った次第です。同情がトリガーになることは当然ありますが。

これから何人出てくるのかはわかりませんが、一人一人キャラやシチュのバリエーションが用意されるわけで、これは大変ですね。しかも「同時に付き合うことを許容できる彼女」です。これはなかなか面白い集まりになりそう。達成されれば、本人達にとっては究極の幸せなのではとも思います。

やっぱり恋愛ものにおける「嫉妬」の描写ほど醜いものはないと個人的には思います。もちろん、嫉妬心は恋愛には必要という前提で、ただ「嫉妬」の描写ほどエグいものはないと。それがないのですから。
嫉妬こそ美しい感情だと、思うこともありつつやはり気になってしまう僕としては、
良いか悪いかは置いといて、その不快さがないというのはこの作品の最大のメリットなのでは?と感じました。大概、僕も狂ってる側に位置するのでしょうが。笑

画面が少しうるさいので、その点が許容できて楽しめる方には、おすすめできます。