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呪胎九相図の三男、血塗は釘崎が、次男の壊相も虎杖が止めを差した。元人間である呪いを殺したことを二人は噛みしめる。
一年生が成果を上げた。特級相当を撃破した三人。冥冥と東堂は、禪院真希、パンダ、伏黒、釘崎、虎杖の五人を一級術師に推薦をする。
釘崎は町中で虎杖を知る小沢という子から声を掛けられる。虎杖が気になるという小沢の気持ちを後押しするため伏黒、虎杖を呼び小沢との面会を繕った。
時は遡り、五条がまだ高専二年の頃。
冥冥、歌姫、五条、家入、そして夏油の五人は高専で術師をしている。
ある時、五条と夏油に新しい任務が与えられた。天元の術式の初期化のための器である少女の護衛。不死であるが不老ではない天元は500年に一度、適合する人間と同化し肉体の情報を書き換える必要があった。
その少女は二つの集団に命を狙われている。二日後の同化まで、守りきることが今回の任務。
少女の命を狙う呪詛師「Q」は五条と夏油の前にあっさりやられるが、問題はもう一つの集団、晩星教だった。
術師のいない晩星教は、禪院という男に声を掛けていた。男は、婿に入り今は伏黒と名乗っている。
五条と夏油は少女を保護した。名を天内理子という。同化まで幾ばくもない理子を見守りながら護衛に徹する二人。そこへ理子を呪詛師が現れる。晩星教、もとい伏黒と名乗る男が、理子を殺せば懸賞金を払うと言う名目で呪詛師を集めていた。
五条たちを攪乱させるが、五条たちの強さは圧倒的。苦戦することもなく呪詛師たちを払いのける。
理子の懸賞金が取り下げられ呪詛師の追っ手が居なくなった。高専に戻り、高専の結界内。一安心していたところへ突然、五条は背後から刀で一突きされてしまう。伏黒と名乗る男だった。男は高専のテリトリーである結界内に誰にも気付かれずに入り込み、奇襲を仕掛けてきたのだった。
【感想】
呪胎九相図の下二人は完全に虎杖と野薔薇にやられる任務だったようですね。
そこで動き出すのがやはり長男。7巻で表紙にもなる辺り、中ボスのような存在感ではあります。
呪いを祓うことと受肉した人間の命を奪うことの差や意味を、虎杖と野薔薇の会話で上手く表現していて、色々なことに頭が回るなあと感心。作者さんの性格が、基本気にしいというか心の機微に敏感というか、そういったあたりが今作のキャラの会話や心情によく表れます。
途中小話のように出てきた小沢さんのくだりも。この話、今いるのか?と思いつつ、何か意味があるのかと思いつつ…、虎杖の人の良さが分かる良いエピソードでしたね。
そして話は過去編。唐突に始まりましたが、夏油は元高専の術師だったことが分かり、伏黒の父親らしき人物も登場。
生意気さが図抜けていますねえ、五条は。今は教え子を持って少しは大人になったように思えます。
ここにきて初めて帳の説明が成されましたね。まあ何となくは読者も理解しているところですが、雰囲気で察してね、という作者の作風もあり説明が全体的に不足している感は否めず。初めの方はそれでも楽しめたんですけどね。だんだん、作者が描きたい「それっぽさ」を重視する余り色々省きすぎなのではと思ったり。
おまけページの解説では開き直ってる感じなので、それはそれで面白いんですが。中二的な読み方が出来ない方は結構ツラい気もします。
このタイミングでの過去編というのは、やはりこの伏黒の父親?がキーパーソンだからでしょうか。夏油のこの後の動向も気になるところです。
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