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動画配信グループ「コズミック」に入れ込む輝夜雛姫。中でもメンバーのスバルのファンで、その恋は異常なまでだった。
大学生で金銭面が厳しい中でも、スバルに対して使えるだけ貢いでいた雛姫。しかし同じようにスバルに入れ込むファンもおり、雛姫には出せないような金額を投げている。スバルに入れ込むファンに対して、雛姫は怒りを隠せないでいた。
ある時、見知らぬアカウントからDMが届く。不審に思う雛姫だったが、相手の正体はなんとスバル本人だった。
【感想】
ネット配信者にガチ恋してしまった大学生のお話。若干ネタバレ書きます。
その恋のエネルギーが普通ではなくタイトル通り獣のようで、自分以外のファンを絶対に許せない、自分が一番だという思いが滅茶苦茶大きいです。
ただ身分はただの大学生なのでお金もそんなにあるわけではなく、社会人のライバルも現れますが金銭面では勝てるはずもなく。後々このライバルとも一悶着あり、物語が展開していく感じは面白いですが恐ろしい…。
そして動画配信者であるスバルですが、このキャラが実はファンを所構わず食っている承認欲求・性欲にまみれた人間で、主人公の雛姫に声をかけたところから話は一気に動きます。
とにかく雛姫やライバルの勢いに圧倒されるばかりで、行動や思想が珍獣の域なのでそれを遠目から眺める…というのが個人的な読み方でしたが…帯には共感の嵐!とあるのでガチ恋の方々は雛姫達に感情移入するということですよね。
こういう極端なキャラを俯瞰で見ることで、自分を俯瞰できるようになって思うこともあると思うのですが、共感してる読者はみんな珍獣です。
しかしこの雛姫の狂ったような愛の表現方法はいつか身を滅ぼしそうですが…いや、何かに夢中になることはとてもいいことですけども…。
同じくスバルのやり方も、作中のまともなメンバーに言われていますが、いつか刺されるぞというような性格。その行いが災いして1巻ラストはとんでもない引きで終わります。一種のホラーです。
狂ったキャラが勢いよく話を動かしていくのでテンポが良くて読みやすい。絵は良くも悪くもですが、表情の怖さは本作のコンセプトには合っていますね。
好き嫌いあるかもしれませんが、ガチ恋をした女子の恐ろしさは圧巻ですので怖いもの見たさで読んでみるのは有り。