僕の心のヤバイやつ / 桜井のりお 1巻 感想

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「僕は頭がおかしい」
という主人公、市川が常に目で追いかけているのがクラスメートの山田。モデルをしていて容姿に優れているが少しマイペースな山田。

そんな山田にナイフを突き立てたら、殺してみたら…死体になってもきっと美しい…妄想を繰り返しながら夜な夜な自己嫌悪、そんな毎日を繰り返す市川。

ある日、図書室でばったり山田と出くわす市川。本好きで通っている市川と、隠れてお菓子を食べたい山田。市川の青春が、ゆっくりゆっくり動き出す。

陰キャで中二病チックな市川と、美少女で少しアホな山田。二人のスローテンポなラブコメ。

【感想】

「みつどもえ」作者の新作。と言ってももう3巻も出てますね。

みつどもえは下ネタ多めですがセンスはずば抜けてました。今作は下ネタは自重し、基本は恋愛に重きを置いています。(それでも下ネタもあるにはあります)
しかしそのセンスは健在で、恋愛モノで必要な心の動きや周囲のガヤ、セリフ等、やはりただ者ではない方でした。

市川のモノローグが多く、山田を観察、もとい好きな子を目で追いかける話。しかし序盤~中盤は市川のひねくれた性格もありラブコメらしい要素が少ないのは否めませんでしたが、後半では恋愛感情をついに自覚します。

初めは陰キャの独り言ばかりでラブコメとしての感情移入が難しかったのですが、
一度読むと、ああ、ラブコメらしい要素なんていらなかった、市川は最初からそういう気持ちじゃないかと、ハッとさせられます。

冒頭では市川の心の中がヤバイんだなと思いましたが、結局何かヤバイことをするでもなく、する事と言えば好きな子に対しての思いからのかわいらしいことばかり。
あれこれ言いつつ、山田に心を支配されてる。自分の心を乱してくる、無茶苦茶にしてくる、という意味でのこのタイトルでしょうか。

山田は陽キャのグループでわいわいしていますが天然で抜けていて少しアホっぽい。少しじゃないか。でもそんなところが、普通とは違う、だからこそ目が離せない。その気持ち、わかります。市川くん、わかるよ…。

中学生ということですが、このくらいの年頃の学生は恋愛感情の自覚そのものにハードルがあるような気がして、いろいろ理由を付けてはぐらかすよりも余程、市川は立派です。
結局序盤から、全ては好きが高じて起こる行動だと後半で気付く。当然読者は知ってて最初から読みますが、市川が気付いてから、つまり2巻からの展開は1巻とは違った見方が出来そうで、楽しみです。

しかし…ブス専の丸刈りの友達、好きだなあ。笑