あやかしトライアングル / 矢吹健太朗 1巻 感想 

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猫の姿をした妖、シロガネが狙うのは花奏すずという女の子。そこへ、幼なじみの風巻祭里が助けに現れる。

祭里は祓忍として修行を積む男の子。風巻家は代々、人の世に害をなす妖を退治すべく人知れず妖と戦い続ける「祓忍」の家。
祭里は、すずに近づく妖を祓うため、小さい頃から鍛錬を続けてきた。

妖は基本的に人間には見えないが、すずには昔からその姿が見えた。すずは妖を引きつける妖巫女(あやかしみこ)と呼ばれる特殊な人間で、いつかは悪質な妖により危険が及ぶ可能性もある。

シロガネはこの地の妖の頂点に君臨する妖の王と呼ばれるまでの存在だった。すずのエネルギーを自分の物にしようと、すずを食うことを目的としていた。

すずを守ることを第一に考えていた祭里は、シロガネを祓うことを決める。シロガネの強さを鑑み、勝つことを諦め封印を施そうとする祭里。しかし、シロガネは間一髪のところで自身の妖術を祭里にかけ、封印を回避する。
妖術のほとんどを巻物に封印されてしまったが、自身は封印されずに済んだシロガネ。そして、シロガネの妖術により祭里は女へと性別を変えられてしまったのだった。

【感想】

「BLACK CAT」「To Loveる」の矢吹先生の最新作。今回は原作なしのようです。

相変わらずの画力と女の子のかわいさで、それだけである程度読めてしまうというのは凄い。

妖を祓う男の子が妖を引きつける女の子を守っていたが、男の子がなんと女の子になってしまって、というお話。

原因となったシロガネという妖は妖の王と言われるほどのすごい妖でしたが、妖術は封印されただの猫のような扱いに。ただしすずを狙うことは諦めておらず、放っておけない祭里はシロガネを目の届く範囲に起きすずを守ることに徹します。

対するシロガネは自身の妖術を元に戻すべく、祭里が持つ巻物の奪還を目論みます。

すずは妖を危険なものとはあまり思っておらず、出来れば仲良くしたい、シロガネとも仲良くできれば襲われないのでは、という考えで妖に近づきます。
これはまあ作品によってはだいぶマズい性格ですが、この手のコメディとしてはむしろ平和な雰囲気を作ってくれるので安心できます。

ラブコメ的なところで言えば、すずは祭里のことを昔から好いていて、祭里ともっと近づきたい、女の子になってしまってからもその気持ちは残っていて割と積極的に祭里にアプローチしています。

ただし祭里が全然その気がなく、そもそも恋愛に対してまるで興味がないような性格。すずを大切に思っているのも、今のところはそういった感情ではない様子。この構図は今のところ面白いですね。

全体的にどこかで見たような話やキャラクターですが、それでも読み進められるのは設定が結構しっかりしているからでしょうか。
まあ正直、設定も真新しさはないのですが、すずの体質、主人公が女になってしまったこと、シロガネがマスコット化しつつもまだ敵であること、等要素はいろいろあって話もうまく絡めているので、新鮮さが無くてもそれなりに読めてしまいます。

この設定がこの後ストーリーが進むにつれどう活かされていくのか、それによっては期待度も少し上がります。1巻の時点では無難なところで落ち着いていますが…。

今作はサービスショットは少なめ。ジャンプ本誌ということもあるのかな。しかし、すずよりも元男である祭里のサービスショットの方が多いというのは何ともニッチな…。

設定盛り沢山で、話は無難、絵は抜群、キャラはかわいい、サービスも少し。何を目当てと取るかは読者次第といったところでしょうか。ストーリーはまだまだこれからでしょうね。1巻はコメディ要素が大半ですが、動かせそうな雰囲気はあります。どこに重きを置くか、作品の立ち位置もこれから決まっていきそうです。

しかし、シロガネは一歩間違えたらもうニャンコ先生ですね…。

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