あらすじも何もないので初っ端から感想です。
出ました、最新巻。3年ぶりだそうで。初出は電撃大王の2018年10月号。
毎巻、期間が空く作品ですが、まあしかし、このローペース込みで「よつばと!」という作品なのではとも思っています。
週刊誌で毎週載ってます、というような作風ではなく、マイナー誌で細々と目立たず描きながら、数年に一度、そのため込んだものを放出するがごとく発売する。ペースは遅いですが、ちゃんと出る。一話一話噛みしめて読みたくなる、不思議な魔力があります。
この巻も良かったです。何も変わらないのがとても良い。でも、よつばと周りの環境は少しずつ変わっていきつつある…という感覚がこの巻にはありました。
始めの方はいつもの何気ないくだり。帯の「普通という奇跡」という言葉がぴったりの日常。毎巻恥ずかしくなるようなキャッチコピーなのですが、これを許せてしまうのが不思議。
石拾いの回は、何だか本当に石拾いしたくなってきます、本当に。連れてきただけのとーちゃんがちょっとハマりだす流れが、少し分かる気がしました。とにかく、よつばと一緒なら何でも楽しい、子どもの存在って、そういうものですよね。
そして、試験勉強の回、絵の具の回と、小学校を連想させるエピソードが少し組み込まれ、最後はランドセルを買いに行きます。
ランドセル回は、ぐっときました。
とーちゃんが「父親の自覚ってできるものなのか?」と、回想でジャンボとヤンダに問うシーン。
よつばがまだ赤ちゃんくらいの小さい頃は分からなかった「父親」という感覚。それが、よつばが少しずつ大きくなり、気付けば「とーちゃん」と呼ばれ後ろを付いてくるようになり、今、目の前にはランドセルを背負っているよつばがいる。
ただ、子どもが大きくなっていくだけ、ただそれだけの話で、こんなに感慨深くなるものかと。この文章を書いている今も少しうるっと来てしまうくらいですが、子どもの節目というのは実は、親にとっても重要な節目なんだなと、しみじみ思いました。
結婚式で親が泣く、ってのはこういうことなんだなと…結婚した側ですがそんなことを思ったり…笑
よつばととーちゃんの絶妙な距離感のツーショット。そして回想が終わり、よつばを見つめるとーちゃん。その後、ページをめくったよつばの一言目が、
「とーちゃん」
なわけですよ。何気ない「とーちゃん」ですが、だからこそぐっとくるものがあります。この回は不意打ちでした。
ついによつばも小学生。
子どもの奔放さが一番の売りですから、よつばが大きくなったらもう「よつばと!」ではないなと、個人的には思います。
大きくなったらの基準が、やはり小学生入る辺りかなと。自分が勝手にそう思ってるだけですが…よつばが他人に忖度したり、コミュニティのしがらみに巻き込まれたりとか嫌だ…。
よつばとも、そろそろエンディングを迎えるのかなあ…。
いつまでも見たい気持ちと、これ以上大きくなるなら終わらせてほしいという気持ちと、両方あって困ってしまいますが、次巻もまた数年後でしょうし、気長に、なるようになるとあずま先生を信じて待ちます。