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不治、リップによる攻撃を受けた風子を助けるために動くタチアナ。タチアナは幼い頃、自身の能力の発動により両親を亡くしている。不可触の能力。タチアナを中心とした一定の範囲内は爆散してしまう能力で、常に拘束具である球体の中に入っていなければならない。マフィアに売られたタチアナを救ってくれたのは同じ円卓の仲間ビリーだった。
不死vs不治の対決。チカラの不動の能力を活用しリップに対抗するアンディ。タチアナの援助と風子の不運も借り、パーツバレットの強化版をリップに打ち込むことに成功する。
不治の能力は解除された。全員が協力した故の勝利だった。そして、能力を持つチカラはユニオンへ参加するかどうかの選択を迫られる。
アンディと風子はチカラの学校へ。そこで体の小さくなったリップと出会う。彼らはアンダーという組織に属し、神を殺すことを目的とせず「次」に行けると豪語する。アーティファクトをアンディ達に見せ、リップはその場を離れた。
そこへ現れたチカラ。彼は自らの能力により両親を殺してしまったことを悔いており、この能力で自分のしたことを償うためユニオンへの参加を決意する。
場は円卓へ。100個目の罰がかかったクエスト。クエストは四つ、円卓以外のメンバーも全員参加の課題。そこへビリーが突拍子もない提案をする。一般人が犠牲になる提案に一同不審に思うがその瞬間、ビリーは円卓メンバーに攻撃を行った。
裏切り者だったビリー。実はアンダーのボスを務めていた。リップとラトラも合流し、連れてきたバーンと共に円卓を奪い逃げようとする。円卓メンバーはそれを阻止するため立ち上がるが、ビリーは他人の能力をコピーする能力を持っており苦戦。
しかし、風子の不運を軸に攻撃を組み立て、バーンを足止めする。
しかしそれでも止まらず、ついに地上へ。ビリーへの思いは変わらないタチアナは、ビリーの元へ。裏切りの理由を尋ねるが突き放され不正義を発動されたため、タチアナはUTエリアを開放する。
タチアナの正義は、ユニオンではなくビリーだった。そのため攻撃が届き、ビリーは吹き飛ばされる。
その間、風子とアンディはアポカリプスの確保に成功。これによりアンダーと対等になった。
【感想】
怒濤の展開を見せる4巻。スピード感が良すぎて逆について行くのが大変です。むしろ既に付いて行けていない部分もありつつ…。
タチアナから始まる4巻。そのまま恩人であるビリーの裏切りに続き、この巻ではかなりの存在感を見せるタチアナ。
能力の顕現の不運はあまりに悲しい。加えて言うとチカラの能力の顕現も悲しすぎる。二人とも自分の手で両親を殺したも同然なわけで、こんな発現の仕方ある?という無慈悲な過去。タチアナは死ぬに死ねずビリーに助けられます。そこからまたへし折られるこの悲しさ。タチアナが何をしたって言うんだ。
チカラはその後も自力で生きていくという、実は強いメンタルの持ち主。ビビりな性格でもいざというときには動ける立派なキャラです。
大きな展開としては、リップ達の組織が明らかに。ただ「次」へ行けるという曖昧な表現のみで具体的にどんな組織かはまるでわからず。ビリーとリップの目的も違うようで、なんだか不透明な組織だなという印象。
ここまでで様々な設定やら伏線が出てきていて、1話ずつしっかり読み込み、読み返し、考えて考察するタイプの読者には受けそうなのですが、自分がそういうタイプではないのでもう少し話の展開に説明と間が欲しいなあというのが個人的な気持ちです。
ビリーの裏切りも正直、こいつ誰だっけっていうレベルですし…リップの能力はもっと危険な能力だと思うのですがアンディとの戦いでは全然強さが分からず。初登場時のアンシーンを尋問するシーン、あれは良かった。あのヤバさが伝わらなくて、あっさり勝ってしまったなあというのがスピーディであるが故の残念さだったり。
チカラ、風子、タチアナみんなの協力があっての、あの勝ち方は素晴らしかった。ただ実質2話での決着でしたが、もう少し会話を挟んでリップ達のキャラをここで掘り下げてもらって3話構成にした方が良かったかなあ…。
この作品の勢いは唯一無二で、能力や物語もかなり作り込まれているのですが、個人的にはもっと余裕のある運びの方が好みです。
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