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中央のトレセン学園へ編入したオグリキャップ。北原の伯父である六平トレーナーと会い、新たな学園での生活が始まる。
編入したクラスは個性的で粒揃いなウマ娘ばかり。田舎から越してきたオグリは舐められながらも本人は全く意に介していない。
そんな中、クラシック三冠レースが始まる。日本ダービーを目標としていたオグリだったが、出走のためには登録が必要で、その登録期限が既に過ぎていたのだった。
最強のウマ娘、シンボリルドルフに掛け合うも例外は認められず、まずは出られるレースで結果を出すことに。
初戦のペガサスS。強敵ブラッキーエールのプレッシャーを物ともせず、一着でゴール。
次戦の毎日杯。勢いに乗るヤエノムテキとの戦い。内に入れさせないヤエノの作戦に序盤はリードを許されるも、後半の直線でスパートをかけ、ヤエノを置き去りにした。
圧倒的な結果を見せつけるオグリ。それを見たある新聞記者が、オグリを日本ダービーへ出させるよう世間を煽った。ついにはシンボリルドルフにまで協力を仰ぎ、その熱い思いにルドルフも動く。
中央諮問委員会に呼び出されたルドルフは、そこで自身の思いをぶつけた。現れた新星をダービーで見てみたい。誰しもがそう思っている。そんな思いを登録期限だけで無にはしたくない。
その思いが、委員会にも届いた。ダービー当日、並々ならぬメンバーが名を連ねる中、そこにはオグリキャップの姿もあった。
【感想】
3巻も激アツな展開。細かい理屈や根拠は無し、描写は限りなくシンプル、1レース1話で終わらせるスピーディさ、全てのバランスが良く、テンションが上がったままあっという間に読み切りました。
まあ、僕が競馬に疎いせいですが説明不足感は否めません。レースの出場権やレースの頻度、そのレースの重要度や世間の期待度などいまいちピンと来ないままどんどん進んでいくので、そのレースの見方がよくわからなかったり、何でこの子はこのレースで、この子はこのレースなんだろうというような疑問はそのまま。それでも勢いで読めますけどね。
それでも日本ダービーの重要度は作中では別格。正直これも、何千人というウマ娘の中でここで走る権利をこんな簡単にオグリは得てしまっていいのか…?という疑問はありつつ、見たいのはオグリの日本ダービーなのでまあいいかという気持ちもあり。
3巻はまず学園編入から始まり、ウマ娘のライバルたちと出会います。みんな個性的で、レース毎に誰かしらと対戦し、しのぎを削る相手。まあ、みんなオグリのかませになってしまいましたが…。
競馬、というか馬の強さっていまいちわかっていないのですが、オグリの強さが圧倒的過ぎて負けることなどないのでは?というくらいの強者感。大抵のスポーツは、もの凄い実力の持ち主でも、拮抗した相手であればその時の調子で勝ち負けは左右されるものですが、馬もそうなのかな。しかし、オグリにはその不安が今のところまるでない。
勝つための作戦や負けた理由など、その都度色々な要素が加わって勝敗が決まります。ずっと読んでいる「ダイヤのA」はその辺りが本当に素晴らしくて、単純な実力勝負ではない精神だったり気持ちだったりで勝敗が動く様を見事に描いてくれていますが、今作も出来ればそういった描写を期待したいところです。
オグリに負けろと言っているわけではありませんが、今のままだとワンパンマンがワンパンで勝つのと変わらないので…。(努力でのし上がったオグリと比べるものではないですが…)
始まる日本ダービーでは、ライバルの強さがまだはっきりしていないのでどういう結果になるかはわかりません。ただ、例えば毎日杯で勝ったヤエノムテキなんかは、あの毎日杯の描写を見るに、特殊な出来事がない限り100回やっても100回勝つんじゃないかなというような印象を受けます。拮抗してギリギリで勝った、というならまだわからないのですが、ぶっちぎりでしたからね…。
ここまではオグリの無双ですが、日本ダービーでは何かしらの根拠をつけてもっと拮抗したレースが見たい。それがどういう結果になっても、この作品は十分面白いですし許せるのではないかなと思います。
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