少女巡礼 / にしお栞 1巻 感想

↑試し読みできます。(画像クリック)

青森から上京してきた玉熊アイコ。災害が頻発し危険とも言われる東京にわざわざ引っ越してきたのは、「神さま」と崇める漫画家、東雲しおんとお近づきになるため。

ある日の停電騒ぎを境に、アイコは隣人のマオと仲良くなる。美人だが対人が苦手なマオは、明るいアイコの性格に救われ、二人は少しずつ仲良くなっていく。

ある日、マオはアイコが東雲しおんを崇拝していることを知る。あまりの信仰振りに驚くマオだが、それもそのはず、実はマオこそが東雲しおん張本人だった。

【感想】

ある漫画家を崇拝する少女と、そのある漫画家との物語。偶然が奇跡のように、上京する目的となっていた人が実はお隣さんだったといういかにもな展開で進みます。

マオは自分が東雲しおんのであることは隠しているため、アイコの崇拝ぶりを横で見ているだけという状況です。

二人ともにキャラ設定がそれなりにあって、アイコは明るく良い性格ですが少し空気を読めない部分があり、過去いじめのようなものを受けていました。そこで救ってくれたのが例の漫画で、そこから崇拝に至る…という流れ。

マオは人と付き合うのが苦手で、でも寂しがり。漫画でしか表現が出来ない臆病なタイプ。でもたまにキッツイことも言えるのが、逆に不安定さを醸し出してます。

結局二人とも不器用で、不器用な物同士で波長があって仲良くなっていきます。

ただ話の展開的にはもやもやすることも多く、ハッピーな展開は少ないです。マオは、唯一気を許せるアイコに傾倒気味で、アイコが本当に崇拝する「東雲しおん」と自分を重ねて葛藤することも多く、中々暗い雰囲気。

アイコもバイト先でうまくいかず、変ないびりキャラのような同期も現れてあまり良い雰囲気ではなく…。

心に闇を抱えた少女達が、逆境の中で救いを求めていくような話の流れが良いのか悪いのか…。作品全体にちょっとダークな空気が漂っています。

また「東京」という地が、災害が多くヤバい場所と強調されていて、二人の心持ちも重なって非常にディストピア感があります。物語が進んだところで、災害で話が展開されるのは何とも、、と思いつつどうなるでしょう。

まあ、今作のターニングポイントはアイコが東雲しおんの正体を知ったときですが、ちゃんと救われる話になって欲しいなと願うばかりです。

試し読み、購入はこちらをクリック!