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不動産会社の営業として優秀な成績を上げ続ける永瀬財地。その営業手法は、嘘を織り交ぜ客に都合の悪い部分は伏せ、あたかも優良な交渉として見せかけながら制約を勝ち取るというもの。
永瀬本人も、不動産営業とは嘘ついてなんぼのイカれた世界と言う。
永瀬は、ある顧客の地鎮祭の際、土地にあった不気味な石を邪魔だと言って破壊してしまう。
それ以降、永瀬は自身の発言に違和感を感じるようになった。適当に嘘をついておけばいい場面で、嘘が付けなくなってしまったのだ。
大事な打ち合わせの場面でも、言わなくてもいいことを正直に話し、他人との会話でも心の奥底の本音をぶちまけてしまう。
顧客からは怒られ、会社の人間との関係も悪くなる一方。
どうあがいても正直でいる他ない。追いつめられた永瀬は開き直り、「正直」をモットーに営業を続けることを決意する。
■感想
不思議な力で嘘が付けなくなってしまった不動産営業マンの仕事漫画。
嘘が付けないばかりか、言わなくても良い本音を口が勝手に喋ってしまうというとんでもない呪い。
不動産営業がいかに嘘にまみれているか、という現実も中々ヤバいですが、それを逆手に取ったこの設定は面白い。元々仕事が出来る主人公だからこそ、真っ当な手法でのし上がっていくというのは逆に見ていて心地は良い。
と言っても、性格に難があることには変わりないので、この呪いが性格をも実直な人間に変えてくれるならそれはすごい呪いだと思います。
主人公の部下で新人の女の子が一話からいて、彼女は正直をベースに、顧客ファーストで行動する心の清いキャラ。だからこそこの業界では苦労し、首を切られそうにもなりますが、その真っ直ぐさと努力が実を結ぶエピソードもあります。
主人公は彼女に影響され、今の状況とも合わさり、彼女のような顧客ファーストの営業をしようと誓います。呪いがあるからですが…。
また、ライバルとして新しく中途で入社した出来る新人がおり、このキャラが主人公に食ってかかります。1巻はこのキャラと対峙する話が大きく、2巻にまたがっています。この終わり方も続きが気になるおもしろさ。
コメディチックでありながら、話はしっかりドラマティック。こうした突飛な設定の仕事漫画は好き。面白いです。